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あのときオレはクズだった~田中の回胴回顧録~
2015.03.27
あのときオレはクズだった 第26回 ~第2部ガイド編~
田中(クズプロ田中→クズ田中→田中) あのときオレはクズだった~田中の回胴回顧録~
周りはすべて敵。サバンナに放り込まれた草食動物の気分で挑んだ実戦の果ては……
新装開店というのは、いわば戦争である。整理券や抽選なんていうシステムのなかった学生時代にはドアが開いた瞬間に反対側のドアから突っ込んでくる連中に思いっきり跳び蹴りをして、その間にうしろの仲間が台を取るなんてことも珍しくなかったし、逆に、ぶつかってこけた自分の上を大人が何十人も踏みつけていったこともあった。とにかく、台を取った人間こそが正義。店も客もそれを良しと思っている限りはマナーもへったくれもないわけで、新台は知恵を絞り、戦って奪うものという認識があったわけだが、さすがに大都会東京にはそんな野蛮なシステムはないようで、当時は並んだ順に入場するというのが新装初日のオーソドックスな入場方法だった。
だけど、話題の新機種を初日から打ちたいと思っているのは自分たちだけではない。朝の7時や8時に並んでも先客があることは珍しくなく、5人のスタッフがデータ取りに行っても2人しか台が取れないというようなケースも珍しくなかった。
まあ、並の機種であれば2台もとれりゃ御の字なわけだが、これが話題の人気機種となるとそうはいかない。確実にデータを取って、まだ解析が上がる前の情報戦を制したいという思惑があるわけで、そういった台の新装に限っては、編集部がホールにお願いをして、あらかじめ台を確保してもらうケースというのが極まれにあった。
新装初日に店に入ってみたら、カドから3台の電源が切られていて、あとからゆっくり入ってきた雑誌の連中が悠々と打ち始める。これがいかにスロッターの心を刺激するのか、もちろんわかる。新装初日は戦争だと、そうやって育ってきた自分にとって、安全を約束されたそいつらは憎むべき存在。周囲のふざけんなよという視線を感じつつデータ取りをしたことも何度かあった。
北海道ツアーと話は前後するが、2002年に発売されたサミーの『猛獣王』は、パチスロ業界に革命をもたらした「獣王」の後継機ということで、導入前からそれは大きな話題をよんだ。サバチャンはどのように継承されているのか。そして、その破壊力は健在なのか。すべてのスロッターが注目しているなか、下手すりゃ徹夜組が出るような状況でのデータ取りは、やはりリスクがある。というわけで千葉県の某店に協力を要請し、5台ほど台をおさえてもらうことになった。当日は、開店までにお店にたどり着けば猛獣王を打つことができる。そんなわくわくでなかなか眠れなかったが、外がうっすら明るんできたころには万枚の夢を見ながら眠りに落ちたのだった。
なんともすがすがしい朝。けたたましい電話のアラーム音で目が覚め、さて用意をしようかと起き上ったのだけど……あれ? アラームじゃなくて電話か。相手は塾長おじさん。大丈夫、ちゃんと起きてますってば。
塾長「お前、いまどこだよ。もうすぐ開店するぞ」
まだ家ですけどなにか? そう答えていたときに、机の上に置いてあった目覚まし時計が目に入った。え~と、あと10分で開店なんですけど……。
人間というのは本当に焦ると逆に冷静になる。すぐ向かいますと言って電話を切ったものの、まずはテレビをつけてタバコをいっぷく。どんなに急いでも家からホールまでは1時間弱かかるわけで、あと10分や20分遅れたところで一緒だろうと、しっかりとシャワーを浴びてから家を出た。そして、開店から1時間半遅れの11時半、周りの客が「てめえフザけんなよ」と、誰も打たないなら開放しろよと殺気立った状況のなかで、ようやく猛獣王と対面したわけである。
まあ、データ取りに関しては塾長おじさんが大ハマリして、天井はボーナスを引くまでチェリーを引くたびずっとサバチャンに当選するというのを見つけるなど、まずまずの収穫があり、19時あたりに打ち終えてメシを食って帰ったわけだが、さて自分はこれからどうするべきか。一応、担当の編集者には以後気をつけるようにと注意を受けたのだけど、やっぱり偉い人にも謝ったほうがいいよなあ。
翌日、髪の毛を五厘に刈り上げて編集部へいき、当時の編集長と副編集長に詫びを入れた。そして、当時副編集長だった片岡氏に、こんなことを言われた。
片岡「オレたちも信頼関係で仕事をお願いしているので、こういうことがあった以上、ちょっとこれからは仕事をお願いできなくなるかもしれないけど、それはご了承ください」
なるほど、ごもっとも。信頼というのは、ひとつのミスで一瞬にしてなくなる。また寝坊するかもしれない人間に仕事を振るくらいなら他の人間に仕事を振るわけで、それがフリーランスというもの。ああ、終わった。ここから干されて、オレのライターとしての目は完全に終わるんだと覚悟した。どうせ仕事がなくなるなら、もう時間なんて気にせず飲んじゃおう。編集部に謝りにいったその足で昼過ぎの小汚い立ち飲み屋に飛び込み、あきらかに路上生活者であろうオジさんと、クダを巻きながら飲んだ。そして、こうやって酒が飲めるならば、別にホームレスになってもいいやと思った。
あのとき打っていた「猛獣王S」 |
【メーカー】サミー 【販売年月日】2002年 【タイプ】Cタイプ(AT機)
2002年に鳴り物入りでデビューしたサミーの『猛獣王S』。2001年に発売された伝説の名機「獣王」の後継機で、12択の15枚役をナビしてくれるサバンナチャンスというAT機能を搭載。ATは基本10or30Gのライオン、20G固定のゴリラ、10Gごとの2択に成功する限り継続するダチョウの3種類からプレイヤーが選択できた。
クズの成績表:★☆☆☆☆(クズというか…) |
これは、はっきり言ってクズじゃないね。単なるダメなヤツだ。人様に迷惑をかけちゃうのはクズの風上にも置けないよ。
クズってものはさぁ、まわりに被害を及ぼさずに自爆するからこそのクズだからね♪
しかし、ガイドライターさん・編集さんやまわりのユーザーからの熱視線を受けながらまわす猛獣は格別だったろうね。
やべ、想像したら胃がキリキリしてきたから、ちょっとハッピーの中押ししてくるわ。
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- 田中(クズプロ田中→クズ田中→田中)
- 代表作:あのときオレはクズだった~田中の回胴回顧録~
パチスロ好きが高じて21歳の時にパチスロ必勝ガイドにてライターデビュー。若手時代は勝ちキャラだったものの徐々にクズっぷりを発揮し、昼はギャンブル、夜は酒をモットーに活動を行う。30歳で思い立ってフィリピンに英語留学へ行き、2012年の2月より世界の子ども支援を行うNPO法人セブンスピリットを設立。フィリピンのセブ島でNPO活動をしながら執筆も行っている。
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