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入場順抽選システムの歴史について回顧する
入場順抽選システムの歴史について回顧する
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業界FTWさん
パチンコ・パチスロ業界歴18年。主に打ち手として、酸いも甘いも、裏も表も見てきたつもりです。それほど文章が書けるとは思ってはいませんが、興味深いお話しをさせていただくことはできるかと思います。その辺のタレント化したパチスロライターさんよりはマシなのかと。とりあえずは、皆様の反応を見ながらではありますが、コラムを書かせていただきます。ちなみに画像はパチンコがグッチから日本のカルチャーとして世界に発信されたもの(?)で、本人はただのオッサンです。 - 投稿日:2016/07/25 12:33
現在のパチンコ・パチスロは“完全確率方式”が採用されていることは多くの人が知っています。むしろ、いつの間にかパチンカー、スロッターの間では“当たり前の常識”となっていますが、一般的には馴染みのない言葉なのかもしれません。
この“完全確率”という言葉の意味を簡単に説明すると「前回の試行に関係なく毎回一定である確率」という表現がよく使われています。
たとえばサイコロを振って6の目が出る確率は「いつでも1/6」で、1回目に振っても100回目に振ってもその確率は1/6という意味です。当たり前の話ですが、超初心者のために「いつでも平等な抽選を受けられる」という意味を確認するために書きました。
パチンコ・パチスロを楽しむ上で、抽選と確率は常に隣り合わせです。大当たりの抽選以外では、ホールに入店する順番を平等に決めるための“朝の入場抽選”が身近なものでしょう。
今回はこの入場順抽選について、私なりのパチスロの歴史を回顧してみます。
3号機から4号機への転換期にパチスロを打ち始めた私にとって、4号機は多大なる影響を及ぼしてくれました。そもそも4号機という大きな括りは14年も続いた時代だけに同じ境遇の方は多いかと思われますが。
◆◆◆大量獲得マシンの登場◆◆◆
特に大量獲得マシンが出始めたころは鮮明に覚えています。サミーの「ビン神」こと、『Bin貧神さま』や、アルゼ(現ユニバーサルエンターテインメント、以下同じ)の『B-MAX』あたりは衝撃でしたね。ビン神はキツいスペックでしたが画期的だと周りの仲間たちと盛り上がっていました。
この時代の私は、朝イチから狙い台を取るために他のライバルたちよりも早く並ぶことにウェートを置いていました。開店する2時間前から並ぶという行為を疑うことなく、ごく当たり前のことだと思っていたのだから、その異常なまでの熱中ぶりがうかがえるかと思います。
それどころか、前日の営業時間内の夜9時から並ぶなんてこともありました。体力があったというか、若気の至りというか、時間に余裕があったのかもしれませんし、総じて言えるのは“パチスロが好き”だったのでしょう。
目当ての台を取りたければ、ライバルよりも早くホールに並ぶ、これが当たり前の時代でした。まさに群雄割拠、そんな言葉が似合う、スロッター同士の”静かな争い”がそこにはありました。
その後、『大花火(アルゼ)』や『アステカ(エレコ)』、『ホットロッドクイーン(オリンピア)』、『エイトマン(タイヨー)』『ディスクアップ(サミー)』など、後に名機と呼ばれる機種が生まれまくります(機種名には私的感情が含まれています)。当時のことはいくらでも語れるという人が多いのも頷けるマシンばかりです。私は懐古主義者ではないですが、やはり永遠に続くと思っていたあの毎日が輝いていました。
◆◆◆ATブームの火付け役がデビュー◆◆◆
しかし、このころからパチスロが大きく変わってきました。より魅力的なゲーム性を持った機種や射幸心を煽りに煽りまくった台が登場します。言わずと知れた名機、『獣王(サミー)』がデビューしたのがいちばんの衝撃だったのではないでしょうか。当時は、その難解なシステムに困惑しながらも、意味不明に連チャンするサバチャンに夢中になっていました。爆裂AT機時代の幕開けです。
この獣王は朝イチの設定変更判別が強烈で、設定1以外に変更するとまず高確率に移動するという特徴があり、さらに高確率に滞在しているかどうか判別する方法が存在したのです。
まず1回転させ、30秒後に始まるデモフラッシュでランプが3回点滅すれば高確率状態だと見抜くことができるこの方法をみんな実行していました。
さらにこのランプは横から見ればわかりやすいということで、入店30秒後にみんなが一斉に横から覗き込むという風景がどのホールでも当たり前のように見られるようになりました。朝の入場順がこれまで以上に重要になってきたのです。
私の記憶が合っていれば、朝の入場順が純粋に並んだ順ではなく、抽選によって決められるようになったのは、このあたりからです。ホールによってはすでにイベント時などに抽選システムを採用しているところもありましたが、それまではモーニングか新台を打てる権利決めぐらいのものだったと記憶しています。
◆◆◆ストック機が大流行◆◆◆
その後、不遇の3号機時代に流行したBモノ(裏モノ)のシステムを合法的に再現したストック機が流行。その多くは設定変更による朝イチの恩恵が非常に大きく、誰もがこの恩恵を受けたいと考えます。
かと言って、朝早くから並ぶなんて休日スロッターには無理ですし、ホールもお客さんには平等に遊んで欲しいものです。こうしてますます入場順抽選が必要になっていったのです。
私が通っていたホールもいきなり抽選システムを取り入れると聞いた時には猛反対しました。先頭の方に並べば有利になるというのに、平等にされちゃかなわないですからね。まぁ、そのホールも少しだけやるのが遅れただけで結果的には、そこらのホール中で当たり前の光景になりました。
◆◆◆様々な抽選方法が混在した◆◆◆
しかし、黎明期の抽選方法は多種多様で楽しかった。抽選を行うパターンによって、私はいろんな攻略法のような作戦がありました。
◆抽選箱から紙片を取り出す
メジャーだったのは入場順の番号が振られた整理券を箱の中から1枚だけ取り出すという超アナログかつ合理的な方法。これは手の中に複数枚握りこんで立ち去るという方法をよくやっていました。
後ろの方に並んでいる人の分の紙がなくなってしまうなんてことも珍しくなく、今になって申し訳なく思います。同じプリントで偽造するなんてこともあったし、有利になるための抜け道はやりつくしました。
◆カード状の入場整理券を引く
ほかには入場順が記されたラミネートされたカードを裏返しにしてスタッフが手に持ったり、テーブルに広げたりしてそこから引くというものもありました。
これは麻雀の不正行為のひとつの、あらかじめ印や傷(ガン)をつけておく「ガン牌」ならぬ、「ガンカード」をやっていました。単純に使い古されたものを選べば早い可能性が高いという理屈から、過去に自分が引いた良番にガン付けしておくことも有効でした。
故意に印をつけたのはともかく、古くなったものを選ぶのは不正というよりも立派な攻略だったように思います。
◆運任せの抽選器
入場順が書いてある紙をカプセルに入れてガチャガチャ(ガシャポン)で引くというものだったり、福引きなどに用いられる多角柱状の箱を回転させて玉が出てくる抽選器は完全に運任せだったので苦手でした。
ちなみに、この記事を書く際に調べたところ、この福引きに使う抽選器の正式名称が(新井式回転抽選器)ということが発覚。超どーでもいい豆知識がつきました。
◆現在は電子式抽選器が主流
そして、現在はパソコンを使用した「電子式抽選器」がメジャーとなっているように思います。ただ順番を抽選だけであれば簡単なプログラムで作ることができるようですが、プリントされる便利な機能が備わった機械が発売されていたりします。
その抽選器でいちばん普及しているのは『フォーチュン』という血も涙もない機械でしょう。この機械が曲者で、この機械を販売しているサイトの商品説明には驚愕の文字がおどっているのです。以下、転載(原文ママ)です。
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次の3種類から発行することができます。
①ランダム
操作順に関係なく設定された番号の中からランダムに確定させ出力します。
②確率調整ランダム
“抽選”といっても、早くから並ばれるお客様はいるものです。そのお客様に“いきなり”悪い番号が出たら・・・。不要なトラブルを避けるために出来た機能です。例えば最初の20人に100番以内の番号が出るようにしたり、一桁の番号が残らないようにするなどの調整が可能になります。
③連番
押した順に番号が連番印刷されます。
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②の項目に驚くべき文言が書いてあります。
「~などの調整が可能になります」
なんと! 堂々と完全確率じゃないと謳っております。わけがわかりません。
これは今でこそそれなりに有名な話ですが、まだこの事実を知らない人もいるのではないでしょうか。「みんな平等だ。完全確率バンザイ」と言っている人もいるでしょう。
しかし、現実はそんなに甘くないようです。いつの間にか完全確率という言葉に慣れてしまったパチンカー、スロッターほど間違った認識を持ってしまうという罠ですね。
しかし、個人的な意見ですが、このような並んでいる順番によって不公平感が出る、出せる機能を使っているホールさんは実際にはごくわずかだと考えています。むしろ私は少なくとも聞いたことがありません。それこそサクラを使っているホールならあるかもしれませんが。
ちなみに現在では、朝イチの恩恵が得られる機種も少なくなりましたが、「平等に」という面から、今もなお残っているところが多いです。厳密には射幸心を煽る恐れがあるため禁止されているのですが、”朝の混雑を防止する”という名目で抽選を行っているホールもあります。
なんの風情もなく、みんな一様に行儀よく、順番に指定されたボタンを押すだけ。入場順抽選ですらデジタル化してしまうなんて寂しく感じます。時間効率を考慮すると最善策とも思えますが、せめて入場順抽選だけでもアナログ手法を取り入れたり、並び順に戻すなど、あるいは入場抽選からでも新たな楽しさを演出してもらいたいものです。
羽根モノで玉の動きに一喜一憂する、リールのスベリコマ数で自分にしかわからないリーチ目を察知する至極の瞬間を味わうなど、アナログならではの魅力を今一度考えることも業界には必要なのではないでしょうか。
6
業界FTWさんの
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このコラムへのコメント(1 件)
コラム中の変更判別のように、「攻略法」で本当に「攻略」できた時代でしたね。
それにしても抽選機にそんな仕様があったとは、朝一並びをしないので知りませんでした。