コーヒーのおばちゃん

久々のコラム、謎のタイトルですいません。

青森に久しぶりに行ったのですが、やはり都会のようにバタバタすることもなくまったりとしていました。

少しだけ昔話をさせていただきます。

当時夜の仕事の時間までの暇つぶしに０．５円パチンコが出来たばかりの近くのホールに通っていた時の話です。

当時は潜伏確変が当たり前のような時で、MAXタイプのキバやライトのFパワフルワールドなどがありました。

当時はハイエナで遊んでいたのですが、たまたま隣に座ったおばちゃんがいました。
俺はとなりでハイエナ成功して出していた時にそのおばちゃんの台も潜伏に入っていて、いつもならそこもハイエナしようとするのですが、たまたま

「おばちゃん、やめないでもう少しだけ打つと出るよ」

と声をかけました。

初めは渋っていたおばちゃんも打ち始めるとすぐに当たり、

「あら～～！！お兄さんの言う通りすぐに当たっちゃったわ！ありがとうね～～」

ととても大喜び。
あっという間に５箱も貯まり、俺も出ていたので並んで打っていたら、

「お兄さん、ありがとうね。」

とコーヒーをくれたのです。

「お兄さんのおかげで今日使った分が取り戻せたわ！また教えてちょうだいね」

と、とても人柄がよく心からパチンコを楽しむ人でした。

いつの間にかそこのホールに行くと話しかけられて、いつもコーヒーをくださり、俺と一緒に行く家族や友達にもくれました。
流石に毎回なので、悪いですからそんなに気を使わないでと言うと、

「いいのよ、こんな年寄りに優しくしてくれるからいつも楽しいのよ」

と言ってくれました。

それから６年間、いつもそのホールに行くといるとてもいいおばちゃんでしたが、俺が埼玉にくるちょっと前からあまり会えなくて、お別れも言えずに埼玉に来ました。


そして先月、青森に２週間ばかり帰り久々にそのホールにいってもまた会えず・・・次の日も会えず・・・

そうこうしてるうちに５日くらい立った時、そのホールの他の常連さんが久しぶりだねと挨拶してくれて色々話をしていると

「そうそう、あの二丁目のおばさん、亡くなったのよ」

と言われ、はじめはさっぱり分からずにいたら、

「いつもコーヒー買ってくれてたおばさん、覚えてるでしょ？あの人よ」

と続けて言われました。

そのあと、パチンコを打ちながら初めて会った時のことを思い出してしまい、泣きそうになりました。
とても打っている気持にもなれず、親の所に行ってそれを話すと家族みんなで泣きそうになりました。

その半年前に実の祖母が亡くなっても涙が出なかった俺が、名前も家も知らないおばちゃんの悲報で涙が出たことに自分自身驚きでした。


俺はそのおばちゃんに線香を供えることも、おばちゃんがいつも飲んでいたコーヒーを供えることが出来ないのが今でも心残りです。

今でも問題視され続けているこの業界ですが、このような出会いと楽しみがあるということも理解して欲しいです。

今でも天国の方でパチンコを楽しんでいるのでしょうか？そうであることを祈っています。



ご視聴ありがとうございました。

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