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たばこが吸えなくなる!?　加熱式は？電子式は？『改正健康増進法』の全面施行で変わるパチンコホールの喫煙・禁煙・分煙事情( ^3^)y-

マスク・オブ・ジ・ワイルドゆる調~パチンコパチスロゆるゆる調査隊~

大当りが確定した際にシュポっと一服。喫煙する人にとって、たばこが旨い瞬間だと思います。ただ、その至福のドヤたばこもオリンピックイヤーの来年には、ちょっとスタイルを変えなくてはなりません。

2020年4月に全面施行される『改正健康増進法』により、パチンコホールも原則屋内禁煙となります。“原則”と付いているのは完全なる禁煙ではないからで、ホールが受動喫煙防止の対策をとることによって、分煙化という道も。大きく2つの喫煙スタイルが可能となっています。

◯特定エリア内で加熱式たばこの喫煙が可能
◯喫煙室内で紙巻きたばこの喫煙が可能

分煙タイプ	吸えるたばこ	遊技
加熱式たばこエリア	加熱式たばこ	可
喫煙室	紙巻きたばこ加熱式たばこ	不可
完全禁煙	なし（※電子たばこは可）	可

※ホールのルールによっては電子たばこも吸えない場合アリ

ざっくりいってしまえば、加熱式たばこは特定のエリアであればパチンコを遊技しながら吸えて、紙巻きたばこは喫煙室内でのみ喫煙ができるということ。加熱式たばこにはやや寛容といったところでしょうか。

もちろん、「加熱式たばこエリア」や「喫煙室」の設置には細かなルールがあり、すべてのホールが同じ対策をとれるとは限りません。

「マイホはど～なるの？」「自分の吸っているたばこは大丈夫？」など、気になる方は続きご覧ください。

改正健康増進法とは？

健康増進法の一部を改正した、望まない受動喫煙の防止を図るための法律。2018年7月に成立し、2019年7月1日には学校や病院などの施設が“敷地内禁煙”になったよう、段階を踏んで施行。2020年4月1日から、パチンコホールを含むホテルや飲食店などのその他の施設にも全面施行されます。なお、改正健康増進法の成立にともない、「東京都受動喫煙防止条例」など、各自治体による条例も制定されています。

対象となる“たばこ”は、「たばこ事業法に定められた製造たばこ、または製造たばこ代用品（加熱式たばこ等）」で、煙の出ない「噛みたばこ」や「嗅ぎたばこ」は規制の対象外。また、「電子たばこ」も現状規制の対象外となっていますが、マナーやモラルの観点から、禁煙とされている場所での喫煙は問題視されています。お店側から注意されることも多いようです。

《たばこの種類と改正健康増進法の適用》

パチンコホールの対策

2018年のファンアンケートによると、パチンコホールに来ているユーザーの喫煙率は約55%。全面禁煙になるとホールにとっては深刻な客離れにつながるため、分煙対策は不可欠です。

ホールが講じる分煙対策としては、前述した通り「加熱式たばこエリア」と「喫煙室」の設置があります。どちらも店舗の出入口と、喫煙できる場所の出入口に、標識の設置が義務づけられており、“喫煙が可能な場所であること”と“20歳未満の者の立ち入りを禁止していること”を記載しておかないといけません。

▲掲示しなければならない標識の一例

なお、パチンコホールには高校生でなければ18歳以上なら入店することはできますが、「加熱式たばこエリア」「喫煙室」ともに20歳未満の者の立ち入りは禁止。従業員にも適用されるため、20歳未満のスタッフさんは加熱式たばこエリアでは働けないことになりますね。

また、ユーザー側にはあまり関係ありませんが、バックオフィスでも同様の分煙が必要。事務所も完全禁煙にするか、喫煙室などの分煙化が必要となります。

ホールにおける分煙スタイルいろいろ

「加熱式たばこエリア」と「喫煙室」といっても、ただ単に設置すればいいだけではなく、煙の流出を防ぐための条件があります。

・入口風速0.2m/秒以上
・壁や天井による区画
・屋外または外部の場所へ排気

「入口風速0.2m/秒以上」とは、禁煙スペースから喫煙スペースへ向かう入口の風の速さで、のれんやカーテンによる工夫も可能。「壁や天井による区画」は、床から天井までがしっかりと区切られていることで、隙間が開いていたら条件は満たせません。「屋外または外部の場所へ排気」に関しては、屋外排気ができない場合は「脱煙機能付き分煙ブース」という経過措置も容認。ただし、その場合は「総揮発性有機化合物の除去率が95%以上」、「室外に排気される浮遊粉じん濃度が0.015mg/㎥以下」という2点の要件を満たす必要があります。

と、まぁ細かく書きましたが、「加熱式たばこエリア」と「喫煙室」の設置にもしっかりとしたルールが設けられているんです。

なお、喫煙室はたばこを吸う目的で設置されているため、室内での飲食は不可。飲料などの自動販売機の設置も禁止されています。

では、実際に「加熱式たばこエリア」や「喫煙室」はどのように設置されるのか。具体的な分煙スタイルを見ていきましょう。

ワンフロアの場合

《全面禁煙》

《喫煙室》

《加熱式たばこエリア》

《喫煙室＋加熱式たばこエリア》

《喫煙室in加熱式たばこエリア》

《喫煙スペース（敷地屋外）》

ワンフロアでの基本的な分煙スタイルは上記の通り。敷地外に喫煙スペースを設けるのは、他のすべてのスタイルと併用ができます。また、喫煙室はワンフロアに複数設置することも可能です。

多層階の場合

《2フロアの分煙形式》

《3フロア以上の分煙形式》

《吹き抜け構造の分煙形式》

多層階の場合は、フロアごとに「全面禁煙」と「加熱式たばこエリア」を分けることが可能。ただし、フロア全体を「喫煙室」とすることはできず、喫煙室は遊技スペース以外に設置する必要があります。また、吹き抜け構造の建物はフロアごとの分煙はできず、通じているスペースは基本的に「全面禁煙」となります。

「喫煙室」で対策するホールが多い!?

ホールの分煙スタイルについて触れましたが、上記は一部の例。実際のホールの構造は様々なので、ホールによって分煙スタイルは千差万別です。

それでも需要が高いと思われるのは「喫煙室」。実際に筆者が知り合いのホール関係者（社員）3人に話を聞いたところ、全員が自社ホールは「喫煙室」で対策すると答えました。

ホール内を「全面禁煙」と「加熱式たばこエリア」に分けるとなると、人気機種などはそれぞれに同等数入れる必要が出てきますし、中小ホールなどはエリアを分けることによって手狭感が出てしまうとのこと。また、「加熱式たばこエリア」を作ったとしても、紙巻きたばこを吸うお客さんのために「喫煙室」は必要となるので、それなら一層のこと両方に対応できる「喫煙室」ひとつにしてコストを抑えたいそうです。スタッフを含め20歳未満の者が「加熱式たばこエリア」に立ち入りできないことや、法律的な手続き（大規模な構造変更には承認申請が必要）もネックになるといっていました。

「加熱式たばこエリア」の加熱式たばこを吸いながら遊技できるというメリットは大きいですが、多層階のホールや大型ホール以外だと、「喫煙室」で対策するホールが多いのではないでしょうか？

吸う人も吸わない人も楽しめるホールへ

『改正健康増進法』の全面施行までおよそ8ヵ月。すでに分煙化をしているホールや、「喫煙室」を準備しているホールを多く見かけます。今はまだ禁煙になったわけではないので、それほど影響は出ていませんが、やはり今後気になるのは喫煙する人の動向。打ちながらたばこが吸えなくなるなら……とパチンコ・パチスロをヤメる人も出てくると思います。実際にホール社員の方たちからも「対策してもお客さんが減るのは避けられない」という話が聞かれました。

ただ、同時に「パチンコ＝たばこクサいというイメージが払しょくできる」「たばこが苦手な人でもパチンコを楽しめるようになる」という意見も。喫煙者や非喫煙者、ユーザーやホールスタッフさん、など立場によってホール分煙化への考えは違うと思いますが、パチンコに限らず、“分煙”はこれからの日本のスタンダードになるはず。

たばこの煙を機種ポップでパタパタ…なんて光景も過去のもの。吸う人も吸わない人もパチンコを楽しめる環境ができるなら、分煙化も悪くないんじゃないかな～と個人的には感じています。

※一部画像は一般社団法人・日本遊技関連事業協会の「パチンコホール分煙環境整備マニュアル」から使用しています。