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連続短編小説『遅れ』③
連続短編小説『遅れ』③
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ゆうジンさん
ちょいちょい打ってます(笑) - 投稿日:2015/11/17 00:47
『遅れ』①
http://pachiseven.jp/columns/column_detail/2684#contents
『遅れ』②
http://pachiseven.jp/columns/column_detail/2698#contents
耳を疑った。
(まさか…)
医師の話を聞くと
今回は生理ではなく
受精卵というある意味『異物』が
中にできたのでそれを取り除こうと
体が働いてこのような
出血になったのだという。
いわゆる切迫流産の
疑いがあるということ。
これによって受精卵が
外に流されるか
残るのかは五分五分らしい。
結果は一週間後…
とにかく数日は安静に
ということなので
そのままシノブを彼女の実家に送り
僕は家に帰った。
しかし、一人で家にいると
色々と考えてしまうので
近所のパチ屋に入り
吸い寄せられるように
HANABIに座っていた。
いつものようにハサミ打ちで
左上段暖簾狙い。
小役ハズレのリーチ目が出ようが
左上段暖簾からの右リール下段七という
美麗目が出ようが
何も考えずにただひたすらに打っていた。
「・・・テロン」
本日、6回目の「遅れ」
今日は全ての「遅れ」がチェリー
そして、今回も2枚チェリーで
ボーナスとはならなかった。
気がつけばあらゆるリーチ目を堪能し
1箱満タンで今日の勝ちは
決定的になっていた。
しかし、最後まで「遅れ」からの
ボーナスは出現しなかった。
3日後…
気持ちの整理がつかないまま
シノブと食事に行く。
たわいもない会話をするが
彼女の表情にはどことなく
不安の色が伺えた。
当たり前だ。
妊娠してもしてなくても
シノブ自身が一番不安なんだ。
僕が守らなくて誰が
シノブを守るんだ?
どのような結果になろうとも
彼女を一生守りたい
そう強く思った。
食事を終え、まだ安静に
していたほうがいいと思い
彼女の実家まで車で送る。
家の近くで車を停め
そこから一緒に歩いたが
シノブは一切話さない。
僕とシノブはほとんど
背丈が一緒だったが
その時の彼女は怯えている
子猫のように見えた。
『結婚しよう。』
自然と言葉がでてきた。
『…うん。』
シノブは少し驚きながらも
素直にうなずいてくれた。
彼女と共に生きてゆこう。
僕はそう決心した。
しかし、彼女と同様に
僕も不安だった。
そして、その不安がやがて
焦り・恐怖に変わっていく。
つづく…
※この物語はフィクションです。
4
ゆうジンさんの
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このコラムへのコメント(2 件)
オチって言うなぁ(笑)不定期連載ですので気分次第ですよw