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0.2円パチンコ

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0.2円パチンコ

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くりくり。さん
マンガ読むのも描くのも好き。 下ネタはパチ7では封印を誓います。 面白かった、コメントが付くたび小躍りします。 無理しない程度に更新頑張ります。
投稿日:2020/02/14 00:40


いらっしゃいませー

ありがとうございましたー

62点くらいの挨拶がフロアに散らばっている。

もっと大きい声を出して

なんて注意しようかとも思ったけど、ひとまず自分の仕事を終わらせよう。

店内は厨房から出る煙で少し視界が悪い。

時計を見上げた。

厨房の奥からでは、棚や積み上げられた食器で時計の全貌を見ることは叶わなかったが、

短針が指している数字は“8”だということは視認した。

8時。いや、少し8の上を指しているので8時は過ぎている。

ちなみに本日の8時は2回目の8時。

1回目もここで見ている。

20代の時は余裕だったが、30を過ぎてから体力の衰えを感じずにはいられない。

まだ店内は慌ただしい。

大学生のアルバイトさんがお客を案内し、オーダーを取る。

キッチンの人間はその料理を提供する。

お客に料理を運び、食事が終われば洗い物へ。

開いた席にまたお客を案内する。

一回転。

まるでそこで行われている営みは

私が先ほどから何度も見ている時計の内部構造のように

同じことを繰り返して次に進んでいる。

だれかに聞こえないかなぁ、と思い

大きめにこぼしたため息は

自動食洗機の轟音にかき消された。

消すのは油汚れだけにしておけ。

食洗機を一瞥したあと

残っていた仕込みを終え、鍋を片付けた。

「じゃあお先に失礼します。」

お客に聞こえないようにその日のスタッフに上がりを告げる。

みんなの目はそれぞれだ

恨めしい目、泣きそうな目、苛立ちの目。

そんな目しても駄目。

私は帰るのだ。

「近藤さん帰ったよー」『マジかよー』「まあ本来帰る人だし」

聞こえていたが聞こえないフリをした。

悪いな、私の耳は長くパチンコを打ったせいで、すこぶる悪いのだよ。

誰にするわけでもない言い訳を言いながら、裏口から店内を出て従業員駐車場に向かう。

店の入り口には案内待ちのお客様が15人ほどいた。

後ろ髪はひかれるが、ゆるせ。

私は帰るのだ。

煙や油でベタベタになった衣服のまま

G.U.で買ったダウン(1,990+税)を羽織り

愛車のフリードに乗り込む。

車の温度計を見ると外気温は2度。

やっと帰れると、肩を上げ寒さに震える私は

ジユーでもフリーでもなかった。

ウルサイ。

私は帰るのだ。



時刻は8時45分。

通い慣れた道。

“時が経つのはなぜこんなに早いのだろう

あっという間にもう

こんな歳だし、親も歳だし、あなたしかいないし”

なんて歌っているなんでも知ってる女王様の歌詞に共感しながら

車を走らせる。

ハンドルを握った左手薬指に目をやる。

もう少しでここに指輪が届く。

キラキラに輝く石が埋め込まれた指輪が届く。

あの人と一緒に選んだ指輪が届く。

そう考えると、うれしくなる。

3年前の自分に、今の私のことを伝えたら何というだろう。

まず自分の未来とは思わないだろうな。

なんなら、ぬるいお湯に浸かって幸せなおつもりですか?なんて嫌味を言うだろう。

まぁそんな嫌味すら笑顔で返せるくらいには私は幸せだ。

多分、「みんなが言うところの幸せ」を、私は手に入れつつある。

でも実のところ、そんな幸せなんて周りが思うほどには感じていない。

いや、後悔してるわけではない。

一生の伴侶として、最高の人に出会えたと思っている。

ただ、

めんどくさいんだ。色々と。

好きな人と一緒になるだけなのに

手続きやら、ご挨拶やら、準備やら色々と。

指輪選びの時も大変だったけども、

式の準備には本当に辟易してしまう。

「君の好きにしていいよ」なんてあなたは優しくいうけども、

そんなメルヘンでロマンチックな夢を見てきた女じゃないから

答えに困る。

ごめんね、素直じゃなくって

頭空っぽにして夢詰め込み忘れたの。

なんか混ざった気がするけども、まあいいか。

今日も早く帰って招待客リストを作らないといけない。

あー、やべ、あやかのアレルギー聞き忘れてた。

今から聞けば、家に着く頃に返信あるかな?

どっかに止めてLINEしなきゃ。

何気なく見た窓の外にはパチンコ屋が佇んでいた。

建っていたと言うよりも、

営業していたというよりも、

佇んでいたという表現が一番しっくり来る

パチンコ屋。

「全然行ってないな、パチンコも」

3年前の自分なんて話を脳内で繰り広げたからだろうか

最近は全く足を運ばなかったパチンコ屋に

しばらく視線を奪われた。

3年前、転職するまではまさに中毒のように通ったパチンコ屋。

転職して仕事が忙しくなり、自然と離れてしまったパチンコ屋。

あの時私は、財布と時間が許す限り玉を弾き、

キャッシング枠も目一杯ためらいなく使うジャンキーだった。

今の彼には言えないけど、家族にも言えなかったけど、

私は確実にパチンコに依存していた。

パチンコがなければ何をしていいかわからなかった。

けど、楽しかった。

お金をつぎ込むことへの興奮と

絶望からの歓喜、

そして絶望。

そんな自暴自棄、自虐の悦楽に浸っていた。

堕落していくのは気持ちの良いことでもあるのだ。

私も変わってしまったんだなと実感する。

転職以後は忙しさが勝ってお金を使う暇もなくなり、

借金も返済した。

ほんと、自然とパチンコから離れていった。

だから、少しパチンコ屋の駐車場を借りるのは気がひけるし、少し怖かったけども

少し寂れたパチンコ屋さんの駐車場に停めた。

よし、あやかにLINE…

あれ、ちえこもなんか食べれないものあるって言ってたかな

だったらグループラインに…ってあのグループには呼びたくないアイツいるじゃんダメ。

ライングループ作るか?

いやぁ、なんかそれだと私嫌なやつにならないかな

やっぱり個人で聞くか

めんどくせぇー

顔を上げ天井を見るとスマホを落とした。

あーくそまじなんなん。

せっかく一生懸命仕事切り上げて、

早く帰って招待客リスト作ろうと思ったのに。

頭を軽く窓に打ち付け目を開ける。

目の前にはパチンコ屋がある。

ボーッと眺めている。

窓越しにもぼんやり聞こえてくる台の音。

「1012番台のお客様、スタートいたしました。」という録音されたアナウンス。

出入り口から出てきたのはタバコを耳に携えた初老の男性、

余り玉でもらったであろうヤクルトを飲んでポイ捨てをした。

その後ろから出てきたおばちゃんは、

今日も駄目と言わんばかりに目の前で手を振っていた。

こんなにも特筆すべきことのない日常の風景が、私には懐かしさを感じさせた。

そうだ、いつも逃げ出したくなるとパチンコを打ちにきていた。

私はドアをあけ、財布だけを持ちパチンコ屋へと入っていった。

久々だから、音の大きさとか不安だったけど、時間帯もあって稼働も少ない。

店内の音楽が普通に聞こえるほどだ。

もっと知らない台ばかりになっているかと思ったけど、意外と変わってないもんだな。

たぶん、この店が変わってないのだろう。

見たことのないイカツイ台はあるけれど。

入って気がついたけど、低貸専門なんだ、ここ。

レートは1円、0.5円、0.2円。

0.2ってなんだ。

通常1玉4円だから、20分の1?

1000円で2万円分?

と思って財布を確認する。

財布には1000円しか入ってなかった。

今、電子マネーとかカードばっかりで現金あんまり使わないから入れてなかったな。

・・・・・・・・・まぁいいか

私は0.2円の島、自分が打ったことのあるシリーズに座った。

パチンコにどっぷりだった時は絶対に座らなかった低貸。

理由は低貸で出すと悔しいし、時間の無駄だと思ってた。

そんな私が1円どころか、0.2円のレートに座った。

1000円を入れ、玉貸を押す。

忘れないもんだな、この流れ。

100円分の玉、500発が出てきた。

上皿がもりもりになり、下皿まで流れる。

これこれ、これも嫌なんだよなぁなんて思いながらハンドルを捻った。

へそに入って液晶が動く。

もっと懐かしさで感動があるかと思ったけど、特段それはないな。

保留を気にしながら、打ち続ける。

打ち続ける

打ち続ける

500発がすごく長く感じた。

100円分使って、正直もういいかなとも思ったけど、

せっかく来たんだしと思い直してもう一度玉貸を押す。

すると、保留が変化し、初のスーパーリーチへ。

ぶっちゃけ昔なら見ずにスマホ見てたと思う。

でも、胸の鼓動が一瞬跳ねた。

ハズレ。

そりゃそうだと思いながら撃ち続ける。

少し楽しくなってきた。

3回目の玉貸、4回目の玉貸は特になにもなし。

5回目の玉貸。

今日一番の熱い予告が来た!

発展すると思いきや、擬似

擬似連ってこんなに興奮するもんだっけ?

そこからの二番目に信頼度の高いリーチへ。

思わずボタンを連打してしまう。

画面を見ると揃いそうな数字の向こう側に、

画面に反射した、私の台を凝視するおじさんがいた。

くそ、見せもんじゃねえぞ。

ハズレ。

あーあ、やっぱ駄目かぁ。

すると後ろのおじさんがすぐ隣の台へ座った。

あー!アツいリーチ外した後の台の隣は当たりやすくなってるオカルト!!

なつかしい!なんてなつかしい行動をしてくれるんだおじさま!

と、60代の迷信を信じた白髪のおじさんに萌える新婦。

さらにたのしくなってきた。

そして6回目、7回目の玉貸が終わり、

8回目の玉貸。

すでに3500発使っている。

4円ならすでに1万を超えている。

過去1日で9万負けても、次の日にうちに行った私が怖くなった。

ここで駄目ならやめとくかー。

と思った矢先、隣のおじさまに赤保留。

首を傾げるおじさま。

プッシュ。

ガシャーン!トゥールルルールピー↑

当たんのかい。

オカルト決めんのかい。

お見事。

と思ったら今度は私の台が騒がしい。

お!?コレはまさか、同じシマの台が時間帯で当たりやすくなるオカルト!

通称“ボタン”では?

プッシュ。

キュインっ!

当たんのかい。

オカルト決めんのかい。

オミゴト。

図柄が揃って、アタッカーが開く。

アタッカーに玉が入り、どんどん玉が払い出される。

上皿はいっぱい。下皿も溢れてくる。

ここで下皿のレバーを引く!

ジャララララララララ・・・・!!!!

この玉が一気に箱の底を撃つ音がたまらない。

自動計数だけど、この音を残してくれた人に感謝。

あの時の高揚が一気によみがえってきた。

この音だけで酒が飲める気すらする。

さあ、ここからは隣のおじさんと私、どっちが続くかという勝負の始まり

こういうのも久々で楽しい。



結果、二人とも2連。

まぁそんな甘くはないよね。

玉を流し、返却ボタンを押す。

結果は800円投資、3000発回収。

よくわかんねぇ。

交換できたのは小さい景品と、ファンタグレープ。

小さい景品もらえた!

ちょっとファンタ3本の方が良かったかもと思いつつ車に戻った。


楽しかったな


誰かに聞かせるわけでもなく呟いた一言は、

久々に聞いた自分の表でも裏でもない、

本心の純粋な言葉だった。

エンジンをかけようとブレーキを踏むとき

スマホを蹴った。

あ、忘れてた。

画面を見ると、あやかからラインが来てた。

?を浮かべた可愛いキャラクターのスタンプ

その上には私が打った途中のメッセージが送られていた

「あやかってアレ」

物忘れ激しい系女子か。私は。

ちょっと笑ってしまった。

そっか、幸せだと思ってたけど、ストレス溜まってたのかな

職場でも、家でも1人になることって最近なかったし。

なんか少しだけすっきりした気がしていた。

800円使ってこんだけ楽しめてファンタ飲めれば十分だな。

当たった玉で飲むファンタ超うまいし。

LINEも明日でいいや、とりあえず帰ろう。



今日はあのキュインが耳から離れないだろうから。

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