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あしの流・文章力アップアップ道場

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あしの流・文章力アップアップ道場

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あしのさん
あしのマスクの中の人。浅草在住フリーライター。インタビューウィズスロッター連載中。パチ7の他は『ナナテイ』『ななプレス』『悠遊道』などでも書いてます。ツイッターもあるよ!@Slot_Ashino
投稿日:2019/09/22 21:00

チワッス! あしのっす。

いきなりだけどみんな! 文章上手くなりたいか──!

もう上手い人は別にいいけど「自由帳に投稿してみたいけど書き方が分からん」みたいな理由でROM専の道を突き進んでる方がいらっしゃいましたら、俺は声を大にしてこう言ってあげたい。

「大丈夫! 文章能力なんかすぐ身に付くよ!」と。

そもそもコレを読んでる時点で「日本語」は使えるわけですし。日常生活での思考であるとか人との意思疎通なんかは誰だって意識せずに言語化できてるわけで。あとはそれをテキストに落とし込んで形にするだけ。それさえ出来れば誰だって「文章」は書けるのです。だから大丈夫。大丈夫!

さて、このエントリはあくまで「あしの流」ではありますが、なるだけ分かりやすく、かつ誰でも実践可能な範囲で「文章の書き方」とか「テクニック」「練習方法」などを思いつくがままに紹介していくものであります。俺自身この「自由帳」から公式ライターにさせてもらった経緯がありますし、恩返しの意味を含めてずっと何か書きたいと思ってたのですけど、なかなかどうしてケツが重くて申し訳ない! 暇な時に書き溜めてるんだけども、まー放出に足るだけの分量がなかなか溜まらんねぇ。

では最初に、この道場の対象者はこちら。

・自由帳に何か書きたいけど書き方が分からん人。
・単純にもっと文章が上手くなりたい人。
・もっと高度に、仕事になるレベルの文章力を素早く身につけたい人。

繰り返すけど、既に上手い人は大丈夫です。「へぇ」くらいの感じで生暖かく見といてくださいまし。では早速、レッスンスタート!


★まずは「物書き」を分解して考えてみる。

ひとくちに「ライティング」と言っても小技から大技まで、いろんなのがあります。例えばこの文章の冒頭。「ひとくち」ですけど、これも「一口」じゃなくて「ひとくち」って書いてる所ですでに小技を使ってます。文中であれば別に「一口」でも「ひとくち」でも良いんですけど、これが文頭に来るとひらがなの方があからさまに読みやすい。

紙媒体の場合は文頭をひとつ下げるルールがあるんでまだマシなんですが、ウェブだとずらっと流し込む形になるので文頭に漢数字がくると「──(ダッシュといいます)」と誤読する可能性があるんですね。じゃあ実験として、ダッシュとイチを組み合わせて使ってみましょう。どうぞ。

──一口に「ライティング」と言っても。

ね。ダメな感じですよね。こういうのは「ルール」じゃないんですが書き手の「やさしさ」なので、敏感になったほうが良いです。上手な人の文章を読むと、こういう「やさしさ」が随所に感じられます。だから上手な人の文章は誤読しない。リズミカルにスイスイ入ってくる。カッコいいですよね。

じゃあ、どうやったらそういう「やさしさ」が身につくか。まずはそこから考えてみましょう。とりあえず「ライティング」という作業には幾つのステップがあるか。この辺にヒントがあります。みなさんも考えてみてください。ライティングという作業のステップです。いっこの物書きを完成させるまでのステップと考えても構いません。幾つでしょう?

正解は3つです。

1.考える
2.書く
3.読む

ですね。構想・執筆・推敲と言い換えても良いですが、簡単に言うと「考えて、書いて、読む」ことです。仕事上の書類作成も、友達に宛てる手紙なんかも同じ。全部これです。誰でも意識せずにやってる事だと思うのですが、実はいっこ、物凄くないがしろにされてるステップがあります。わかりますか? 3番です。読む、という部分。

そこで俺は提案します。文章が上手くなるための初めの一歩。それは「自分が書いた文章を音読してみよう」というものです。(音読というのは「声に出して読むことです)


★音読最強伝説!

音読。しかも一回こっきりじゃないですよ。何度か続けて音読してみてください。そうすると、どっかで詰まる部分が出てきます。上手く読めない。みたいな。そこが「やさしくない所」です。はい。上記の「やさしさ」というのは、実は上手い文章を読んでもさっぱり身につかないんですね。だって詰まる所がないから。逆に下手な文章ほどいっぱい詰まるんで、実に良い教材になります。

詰まる部分があったら、すっきり音読できるようになるまで何度も直しましょう。他の表現に変えたり、いっそ消しちゃたりね。これを「推敲(すいこう)」と言います。推敲は七世紀頃の中国の詩人が編み出した言葉です。『僧は推す月下の門』という詩を口ずさんだときに、「推す」じゃなくて「敲(たた)く」でもいいんじゃねぇか? とふと気づき、めっちゃ迷った末になぜか偉い人の行列に突っ込んで逮捕されます。そして事の経緯を偉い人の前で説明するんですが、偉い人は全部聞いたあと「そりゃお前、敲くの方がいいでしょ」とアドバイスするに至り、二人は友達になりましたとさ。みたいな話です。

ほら、口ずさんでる。「推敲」の元になった詩人も口ずさんでから気づいてるんですね。つまり、音読しない推敲なんか推敲の真似事なんです。読みましょう。文章は。声に出してね。

俺なんか未だに音読してます。極稀に面倒臭くなってさっと流し読みしてますけど、やっぱクオリティに差が出るんで極力やるようにしてます。机の前でブツブツ言いながら笑ったり頷いたりしてるんで、嫁からキモがられてることだと思いますけどね。へへ。

というわけで「3.読む」の重要性がご理解いただけたことだと思います。今回はもうちょっと書こうかな。じゃあ次いくよー!


★考える! も大事だよ!

次は「1.考える」について。激しく難しい部分です。マジでこの「考える」という部分がライティングを行う上で一番大切なんですけども、コレに関しては「アイデア」とかの話になるんでもはや人にレクチャー出来ることなんかは何もありません。

とは言え、テクニカルな部分も一応あるにはあるんで今回はそこを。

何を書くかなぁと考えた時。まず「大まかな流れを先に決める」のが絶対だと思います。人によって違うかもしれませんが、俺の場合はこれです。ディティールをめちゃくちゃ考える人もいるかも知れませんが、多分それ超難しいです。例えば今回のこのライティングの場合、俺が考えたのはまず「ライティングを3つのパートに分けて、『音読』と『構想』の重要性を説こう」というものでした。フローチャート化してみましょうか。


ライティングを3つのパートに分けよう
 ↓
「書く」は長くなるから「読む」と「考える」に焦点を絞ろう
 ↓
「読む」は音読の必要性の話だから推敲のエピソードをブチ込もう
 ↓
詩人が口ずさんで気づいた理由にサプライズがあったほうが良い
 ↓
※じゃあ誤読の話があったほうが良いね
 ↓
※序盤にダッシュの話入れよう
 ↓
「考える」は構想の話にすればいいから、今のこの思考の流れをそのまま書こう


みたいな感じです。大切なのは「※」の部分。冒頭部分は後から考えてるんですね。ダッシュの話から推敲に展開してる風に書いてますが、実は推敲のエピソードが書きたいがゆえにダッシュの話を序盤に持ってきてるわけです。こういうちょっと捻くれた展開を書くのは「最初にライティングを3つのパートに分けよう」と決めてないとキツイと思います。

割と俺もそういうタイプなんですが、もっと変態レベルで上手い人の文章を読むと「全然関係ない話から自然に本題に入ってる」というのに後から気付かされる場合があります。しかもその無関係な話が上手く理解を助ける構図になってたり。これは「構想の勝利」だと思います。恐ろしいのは、この部分は飛び抜けて難しいにも関わらず、慣れたらほぼ一瞬で出来るようになります。そう。時間がかからないんですね。例えば上記のフローでいうと、俺は10秒くらいで考えてます。そして大体みんなそうなります。どうやってやるか、は助ける事ができません。慣れです。慣れましょう!

んで最後にこの「考える」に関しての効果的な練習方法をばご提案。

それは「30分小説」というものです。物語の「構想」から「推敲」までを30分で終わらせるというもの。名前は30分小説ですけど、別に小説じゃなくていいです。30分コラムとか、30分エッセイとか。大切なのは以下の2点のみ。

・必ず30分で終わらせる(結末まで書く)こと。
・最初の構想をなるべく実現させること。

これです。これは俺が高校時代に考えた練習方法なのですが、何か賞をもらっていいくらいの大発明だと思います。これを愚直に行う事でライティングを行う上でのさまざまな能力がモリモリ身につきます。なんせ時間が無いんで不必要な事を描写できない。ゆえに「どこに最低限の力を入れれば構想時点での話が成立するのか」がスッと理解できたり。あと素早い構想と、そして「広げて良い風呂敷の範囲」もわかります。文章能力はあんまり上がらないかも知れませんが、構想と構成能力にかけてはコレに勝る練習法はたぶん無いです。割とマジで。

最初は何もできないと思いますが、一日30分。ストップウォッチのアプリを起動してチャレンジし続ければ、たぶん1週間くらいで見違えると思います。最低でも「人間ってすげえなぁ」と思うはず。興味がある人はやってみてください。


★どうだい、アップアップしそうかい?

というわけでまとめ! 今日書いたことをおさらいします!

・ライティングは「考える」「書く」「読む」の3パートで構成されてる。
・忘れがちなのは「読む」だけど推敲には絶対必要だぞ!
・「考える」のは難しいけど、慣れれば瞬殺で出来る不思議なパート。
・1日30分で、びっくりするくらい出来るようになる最強の練習法あり。

以上。こんな感じ。次は(いつになるか知らんけど)メインの「書く」について語るぞい。お楽しみに!

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あしのさんの

※本記事はユーザー投稿コンテンツです。

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このコラムへのコメント(20 件)

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あしの
投稿日:2019/11/21
マスクド・モリタさん
チワッス! うわ、マスクさんお疲れさまです! 読点。わかりました! そのうちきっと……!
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かつてマスクド・モリタと呼ばれていた者
投稿日:2019/11/19
勉強になった! 特に「考える」のところ。
ありがとう!!!!
いつか、「読点」について書いて欲しい~。
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あしの
投稿日:2019/09/26
DC兵マツバさん
チワッス!ありがとうです!その2もその内書くと思うので、お楽しみにー!
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DC兵マツバ
投稿日:2019/09/25
為になりすぎてすごすぎてやばいです(語彙力)
さすがですわ…!
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あしの
投稿日:2019/09/24
インプロレスGMさん
チワッス!とんでもない!モチベーションを上げるお手伝いができてよかったですー!一緒に頑張りましょうね。
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あしの
投稿日:2019/09/24
Hiroさん
チワッス!たしかに、書くぞと覚悟を決めるまでがなかなか大変な時ありますね。仕事だとなおさら……とはあんまり言っちゃダメなんですけどもw
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インプロレスGM
投稿日:2019/09/24
最近、上手く書けないなぁと悶々としておりましたので、非常に為になりました。うし!何か書いてみっか!
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Hiro
投稿日:2019/09/23
こういうの見ると自分でも書けるなんて思うけどなかなかねぇ~。
構想して結局何だかなぁ~ってのが多い( •᷄ὤ•᷅)
読むのんは好きなんよねー。
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あしの
投稿日:2019/09/23
*Luna*さん
おっ。やってみてやってみて。難しいけどオモロイよ!
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*Luna*
投稿日:2019/09/23
めっちゃ面白い♪
30分小説、やってみるー(/∀︎\*) 
次も楽しみにしてるねー!

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