「パチプロ、スロプロ育成ハイスクール私立アメリカンドリーム学園」第1章

オッス！俺、銀玉　勝つる！

ヨロシクな！

今日、思い切って地元の鶯谷から東京に上京して来たんだけど…その理由ってのは…。

オッス！俺、銀玉勝つる！


へへっ、意味もなく自己紹介を連発されると不安になるだろ？

ごめんごめん。

あ、メンゴメンゴ（笑）。

実はオレっち、今猛烈に不安なんだ。

なんでかって？


オレっちがいる所を聞いて驚くなよ。
驚いてモロッコに性転換手術をしたら実の祖父か担当医なんて事になるなよ！


オレっちの親友だった斉藤がそれでねぇ…。
まさかそれでモロッコの都市が半壊するとはねぇ…。

あ、それはどうでもいいや！

実は今、『パチプロ、スロプロ育成ハイスクール私立アメリカンドリーム学園』に来ているのだ！！！

…あんま驚いてない。


え？コラムのタイトルがそうだった？


あ、あ…そうか。

そうだよな。

オレっち…浮かれてたのかな。

いけねぇや。

そう、そうなんだよ。

オレっちは生まれ故郷の鶯谷を出て夢を叶える為にここ田端にある私立アメリカンドリーム学園に来たって訳なんだぜ！

ここで一人前のパチプロ、スロプロになってオレっちの夢を叶えてみせるんだぜ！


え？オレっちの夢って？


しょうがないなぁ。
教えてやろうかなぁ。


オレっちの夢はな！

オレっちの夢は…。




…あれ？



…オレっちの…夢…？



…もともとは役者になりたくて実家の金物屋を出て…というか勘当に近い感じで追い出されて…小さい劇団に入ったけど、なかなか役が貰えなくて気がついたら裏方ばっかやってて、そうこうしてたら30も超えてて、この間久しぶりに実家に帰ったら弟夫婦が子供連れてて…親父やおふくろは孫に夢中で…なんか居場所ないなぁ…なんて思って帰ろうとしたんだけど帰りの電車賃が無いから親に借りようとしたら親戚の雅代おばさんが烈火の如く泣いて怒って

「いつまで夢を見続けてるんだ！いいから働け！」

って生八つ橋を投げつけてきたよなぁ…。


逃げるように実家を後にしたっけ。


…そんなオレっちの夢…。


確かに演劇で食えないからバイトとパチンコばっかしてた。


だからだ！


だからオレっちはまず誰にも助けを求める事なく一人でやってく為にパチプロ、スロプロになろうとしてるんだ！


入学金は30万とかかったけど親に土下座したら手切れ金でくれたから、ここから見返す気持ちで頑張らないとな！！


オレっちだって決して初心者じゃないんだ。

多少のパチンコやらスロットの知識はあるってもんだぜ。

にしても辛気臭い教室ときたもんだ。

いかにもな学校の教室といった所に20人位の生徒さんかな。


フフ、今日からこいつらがクラスメイトでありライバルって事か。


さてどんな事を教えてくれるんだろうなぁ。

お！どうやら先生のお出ましか。


鬼教官
「うぉーい！よく来やがったな養分共！！」

うへーい！なんて奴だ！

鬼教官
「俺がこれからお前らこと糞養分共を一人前のパチプロ、スロプロに導いてやる！覚悟しやがれ！分かったか！！この野郎！よろしくお願いします！！」

ごぼばぁっ！！な、なんて奴だ。言葉使いが乱暴なんだか丁寧なんだか分かったもんじゃねぇ。…こいつ…只者じゃねぇ。


鬼教官
「まず、お前らに聞こう。真のパチプロ、スロプロとは何だ！？あぁ？あー、じゃそこに座ってる茶髪で28歳位のいかにも何の取り柄もないスロットしか打てませんけど何か？みたいな顔してる奴！答えてみろ！」


茶髪で28歳位のいかにも何の取り柄もないスロットしか打てませんけど何か？みたいな顔してる奴
「…え？収支がプラってるって事っすかね。」

鬼教官
「…なるほど。お前は今すぐ親戚一同奇病にかかれ！！！」


ば、ばぼらあっ！！…どういう事なんだ今のは！ほら、そんな事言われて茶髪で（以下略）が困ってるぜぇっっ！


鬼教官
「いいか。真のパチプロ、スロプロはなそんな簡単なもんじゃねぇんだ。真のパチプロ、スロプロとは常に孤独を愛するソルジャーなんだ。ソルジャーって分かるか？簡単に訳せば詩人って事だ！」


も、もげろぶぅあー！！違う違うぞ訳せてないぞ！…だ、大丈夫なのかここ。


鬼教官
「真のパチプロ、スロプロに必要な物。それは大きく分けて3つある。一つは知識。二つ目は判断力、三つ目は想像力そして四つ目は愛だ！！」


ぐ、ぐぅたァンヌゥうぼぇー！よ、四つあったぁぁ！！お、恐ろしい所だ。ヤバいんでないのかここは。周りの生徒も引いてるって。


鬼教官
「だいたい、お前らに愛はあるのか？目先の金しか見てないんじゃないのか？パチンコもスロットも打つときは常に愛を最大限に表わせ！！分かるだろう？俺が何の台を好きなのか？あーそこの…しけたメガネしてるモーガン・フリーマンみたいな奴答えてみろ！」

しけたメガネしてるモーガン・フリーマンみたいな奴
「ま…マクロスっすか？」


鬼教官
「そうだ！見て分かるだろう？何故俺がシェリルのコスプレをしているのかが！愛だからだ！！」


〜まさかのシェリルノームのコスに身を纏った鬼教官率いる私立アメリカンドリーム学園。本当にここで真のパチプロ、スロプロは生まれるのか！？銀玉勝つるの運命は！？次回『次回の内容は削除されない様に気をつけよう』です。ご期待下さい。

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