『人間ストック溜め打法』を検証。

『人間ストック溜め打法』を検証。
究極のオカルトを求めて。その６


俺には「師匠」という年の離れた友達がいる。
しかも２名。
片方はご存知、佐々木真さんだ。
パチ７では現在「パチスロ攻略ライターの思考ルーチン」を連載中なので、お読みになってる方もきっと多いだろう。
氏と初めてお会いしたのは某社の生放送に出演した時だった。

当時、俺は全然違う畑にて職業ライターとして糊口をギリギリで凌いだり凌げなかったりしてた時期だったのだけども、私生活で結構パンチの効いた事件があった結果何も書けなくなり、もうどうでもいいやと自暴自棄になって電器屋で働き始めた直後くらいに、趣味でやってたスロブログが某社の編集の方の目に止まり、有り難い事に上げ膳据え膳……気づけばやれ「パチスロ打って実況する仕事」であるとか「パチスロに関するコラムの連載」とか、かなり美味しい案件をモリモリ貰う事になりまして。今思うとめっちゃラッキーだったんだけども、そういう時に何か知らんが動画コンテンツに出演する仕事までもが舞い込んできたのです。
ガチで有り難てぇ話だった。
ただ当時俺は「ちんまん体操のお兄さん」と呼ばれるくらい八割くらいが下ネタで出来ている人間だったのね。
いまでもあんまり変わってねぇけども。
とにかくそれは流石にピンで出演は厳しいだろうと。
まあ画面映えするタチでもないし、演技したり喋ったりするのが得意な方でもないんで、コレに関しては編集サイドのナイス判断としか言えないんだけども、栄えある動画のお仕事のデビュー戦はまさしく、佐々木さんとのバーターだったのである。

その時の動画ネタは「俺と佐々木さんがそれぞれ好きな台を好きなように打つ」みたいな感じだったんだけども、俺と氏はそれぞれ「爆釣」と「クランコ」を選んで二時間くらいだったかな、好きに打って遊んで──……。
台の解説したりエピソードを披瀝したり。楽しかったよ。
あれがもう二年以上前だとは。
時の流れは恐ろしい。
んで氏とは生放送終了後、赤坂の駅で始発を待つ間に色々お話させて貰ったけど、結果として両者の間に「美川さそり座のサラリーマンは名機だった」というコンセンサスを得るに至り、何か知らんが無駄に意気投合したのが、昨日の事のように思い出される。
それ以降、有り難い事に佐々木さんとは「まこっさん」「あしのっち」と呼び合う仲に発展し、未だに仲良くさせて頂いている次第。
最近もたまに酒を飲みに行く事があるけど、まこっさんは一回飲み始めると朝までエンドレスな人なので注意が必要だ。
ビール飲んでるうちはいいけど、緑茶ハイ飲み始めると危ない。
んで午後二時を超えると文章からは想像も出来ないくらいぐでんぐでんになって１００回くらい同じ事いうので、いくら人生の大先輩でもバックドロップしたくなること請け合いである。
ちなみに二回前の陰毛ネタに関しては夜中三時くらいまで氏から大目玉を食らい続けるという護摩行に近い状況になった。
まさか俺の自由帳連載をちゃんと読んでくれてると思わなかったんで最初はすげー有り難く拝聴してたけども、途中から論旨が怪しくなり、「なんであの回に『ちんまん体操』というフレーズをぶっ込んだのか！　プンスカ！」という謎の結論に帰結するに至って「あ、このひと緑茶ハイ効いてんな」と判断し、あとは俺も牛すじ煮込み食いながら「いやーもう、サーセン！　とりあえず緑茶ハイ追加で！」って一時間くらい言い続けてた気がする。俺もクッソ酔っ払ってたんであんまり覚えてねぇけど。
なんにせよ、愛すべき大先輩である。
今度桃鉄遊びましょう──！

で、もう一人の「師匠」だけど、これは俺のブログの常連さんである「くらっち」さんだ。

俺のブログ『５スロで稼げるか？』はなんだかんだでもう四年目に突入してるけども、くらっち師匠はかなり初期から読んで下さってる方で、実際にお会いして連れ打ちしたり酒飲んだりと、こちらも仲良くさせて頂いている。
バリバリのビジネスマンである氏は海外に居を構えて居られ、日本に帰って来られるのは数ヶ月に一度とかそのくらいのペースなのだけども、時間が合えばなるべく会って近況報告するようにしてる。
くらっち師匠がなんで師匠かというと、それは氏の、スロットに関する造詣の深さと歴史の長さによる。
この辺は佐々木師匠も同じことが言えますね。
やっぱ我々はスロットが大好きだし、青春時代の──あるいは、人生のかなり長い時間をスロと共に過ごしている。
俺ですら１８年選手とかそんな感じだし、もはや人生の５０パーセントくらいをスロと一緒に過ごしてるわけで。
両師匠の如く、０号機とか１号機とかその辺からスロってる人が積み上げてきた歴史の重みは、決して軽んじることが出来ない。

パチスロ人間国宝。

俺が両氏に抱くイメージはそれである。
能楽師とか琵琶奏者に近い。
伝統芸能の域である。
殊更、我々は儒教文化がまだ色濃い日本に住む人間であるし、ただでさえ年上は無条件で偉い！　みたいな風潮の中にあって、自分の裡の価値観のなかでも結構上位に位置する「パチスロ」に関してマスター・クラスの知識を持ってる人だともなれば、これはもう脱帽して敬服せざるを得ないのだ。
そう。
師匠と呼ぶには、そう呼ぶに足る理屈があるのである。
両氏にはぜひこのまま研鑽を積み上げ──その隠さぬ刃を磨き続けていただきたい。
そうしてパチスロの歴史が下って６号機とか９号機とか──或いは１５号機とかになっても、マスター・クラスのスロッターであってほしい。
んで「押忍！番長８打った？　まさか轟くんがケイ素生命体になるとはねぇ！」つってホクホク顔で実践報告して頂きたいと切に願う。
俺はその車椅子を押しながら「師匠、番長８はもう５年も前の機種ですよ……！」つって冷静に突っ込もうと思う。

●人間ストックとは。

んでくらっち師匠だけども、近年異形の攻略法にすっかりとハマっていらっしゃる。
今回のオカルトネタである「人間ストック溜め」だ。
人間ストック。
これは三年ほど前に拙ブログで俺自信が発案したネタである。
当時、俺は「同じ店の同じ台を３日連続でひたすら打つ」とかいう企画を頑張ってカマしていた。今思うとすごいバイタリティだと思うけども、当時マイホにしていた足立区の某店はウンコみたいな店だったので、打ち始めて一時間くらいでドス黒い低設定オーラを感じ、ウヒョーこれあと３日も打つのかよ……と、自分で企画をぶち上げておきながらもしょっぱなから暗澹たる気持ちが湧き上がるのを抑える事ができなかったもんだった。
んで案の定、お金も気力も凄い勢いで削げ落ちていって、初日が終わる頃にはすっかりスロの事が嫌いになりそうな気配すら漂い──……。
当時は今より真面目にブログを更新していた時期だったし、やる気も元気も凛々としたもんだったので、ホントに義務感で三日間やり遂げたよ。

でだ。

その時俺がチョイスしたターゲットは「鉄拳２ｎｄ」だったんだけども、初日、二日目とフルボッコにされ、迎えた三日目、見事に事故った。
ありとあらゆる特化ゾーンを引きまくり。超プレミアのデビルフリーズも二回引いた。
上乗せが上乗せを呼ぶ至極のヘヴン状態──。
余裕の万枚である。
二日間、アレだけツンツンしてた鉄拳が見せた唐突な激甘デレデレモードに、俺は「あ、俺の中になんか貯まってたのが全放出されたな」というのを確信した。

人間ストック理論のはじまりである。

そう。
人間ストックとは「己の中に何か知らんが溜まったヒキ」みたいなのの事であり、それが何かのキッカケにドロリと放出されると壮絶に事故るよね、みたいな感じの分かりやすい理論だ。
事実、二日間の低設定鉄拳全ツッパの苦行で溜まったストックは万枚一発では終わらず、その翌日に打った「コードギアス」でもまた「万枚行った」。
俺の決して短いとは言えないスロ歴史の中でも、この「２日連続万枚」のエピソードはかなりドヤ度が高い。
というか生まれて初めてだったよあんなの。
そしてもう無い（断言）。
ちなみに２回とも当たり前のように５スロだった。

んでその２日連続万枚の二発目に一緒に打った生き証人がまさに「くらっち師匠」であり、歴史の動く様を目の当たりにした氏はその後、俺よりもヘヴィーに人間ストック溜め打法を実践しはじめ、のちに人間ストック溜め界（どんなだよ）の指導者的存在となるのであった。

●驚きの溜めっぷり

さて、くらっち師匠だが、前述の如く現在彼は在外の獅子である。
スタミナ料理とムエタイの国にパチスロは無いので、必定、実機を打つのは数ヶ月か半年に一度、日本に帰ってきた時だけになる。
いくらパチスロにその身を捧げた即身仏のような御仁とは言え、嫁さんもおり、お子さんもおられる。
その上、当然ながら勤務してる会社自体は国内に本社を置いてるゆえ、社用もあるだろう。
来日（？）の日程は一週間とか、長くても二週間くらい。
その限られた時間内に家族サービスをこなしたり社用をやっつけつつ、間を縫うようにしてホールにいって糞台を延々と回して人間ストックを溜めるとか、流石に無理というかそんな事してたらキチガイだと思うわけで。
実際、師匠は驚きの方法を使って「人間ストックをすっかり溜めた状態」で帰国し、んで楽しく爆裂しておられる。

果たしてどんな方法か。
そう──サミタである。

サミタ。
これはサミータウンというオンラインホールの事だ。
その名の通りサミーが運営していて、月額利用料金えば払えば無制限でいろんな台がＰＣ上で打てるとかそんな感じ。
俺もすげー前から利用しててすでに累計課金額は結構な数字になってると思う。
基本的な使い方としては物書きしてる間に画面の端っこで「ハードボイルド」とかをオートで回してたまに眺めたり──ノリとしては熱帯魚の鑑賞とかそっちに近いけども、まあホールで打ってない新機種が導入される日は急いで家に帰ってオート券を手に入れる為に必死でガチャ回したりする事もあるんで、それなりにしっかり楽しんでる気がする。

で、師匠はこれをオートを使わずに手打ちしてひたすらハマり続け、人間ストックを溜めていらっしゃるらしい。
んで師いわく、機種は竹屋の「モンスターハウス」が「一番溜まる」との事。

東南アジアで竹屋──！

想像してみてくれ。
たぶんホテルの部屋である。
劣悪なインフラ環境。５０ｋｂｐｓくらいしか出ない糞みたいな回線。常夏の陽光を受けてまるまると太った蚊が飛び交うなか、竹屋のモンスターハウスである。
コップンカップ！　サワディカップ！　ゴーゴーバー！
全てのメシからはパクチーの香りがするだろう。
トゥクトゥクも道路を逆走するだろう。　
タクシーの運転手は乗客が日本人と見るや風俗に連れてって紹介料をもらおうと必死に「ナカムーラ。フジヤーマ」つって機嫌を取り、んで連れてかれた風俗は大体ボッタだろう。
そんな中、竹屋のモンスターハウスである。
一心不乱に──人間ストックを溜めるため──……！

先日の帰国直前の師匠とのラインの会話はこんなだった。

「今回もストック溜めバッチリだよ」
「また溜めたんすか。竹屋すか」
「もちろん。激甘グルグルで１８００回転はまって単発、１０００ハマって単発で止めて日本帰国」
「ｗｗｗｗｗｗ」

マジである。
んで翌日きた写真がこれ。

サラッとクォーター達成。
もちろん大人レート（２０スロ）である。
曰く「等価じゃないからプラス４０本弱。まあ充分でしょ」との事。
まあ充分でしょ……ですと……！？
つまり本気出せばもっと出るという事か！？
竹屋はまだ変身を二回残してるとでもいうのかッ！？

そう。
結果出てんだよこれ。

思い返せば一年ほど前、夕方頃に連れ打ちに合流したらすでに万枚出てたり。
あるいは朝から二人で並んでスロったら師匠だけどっかいって気付いたら６０００枚くらい出してたり。
およそ、師匠がボコボコに負けてるところというのを、俺は見たことがない。
てか負けるどころか大体爆発していらっしゃる。
もちろん大人レートで。
んで大体焼き肉奢ってくださる。

恐るべし竹屋。
恐るべし、サミタ。
恐るべし──人間ストック溜め打法……！

コイツぁ試すっきゃねぇ！
というわけでやってきました。
……ここまで長えッ！

●竹屋ｖｓ俺

うん。
サミタだけども、公式ページを見ると「ブログとかにスクショ載っけちゃダメよ」との記載があるゆえ、画像を貼ることができなかった。
本来ならば竹屋と俺の戦いに関するドラマを写真付きでモリモリ書く予定だったんだけども、文字だけでお送りします。

結論から言うと、激甘ぐるぐる券（すげー回るようになる券）使っても、パチンコを１０００までハマらせるのはめちゃくちゃ大変だった。
というか心が折れそうになる。
調子よくハマって「お、ストック溜まってるな」とか思っても、何か知らんが４００過ぎくらいに壁があってうっかり当たる。
んで当たったあと離席して別の台で１から回し始めるんだが、ずっとやってると自分が前に打った台忘れちゃうから同じ台に着座して確変中から始まって舌打ちしたりする。

──激甘グルグルで１８００回転はまって単発、１０００ハマって単発で止めて日本帰国。

師匠の言葉を反芻しながら、同じ状態になるまで粘ろうとするも、都合３日使った結果、１８００ハマりはよっぽど運が良くないと（？）達成不可能というのが分かっただけだった。
結果、俺の最大ハマりは１０３０。ただし確変当選でノーカンだ。
ストックが溜まったと判断して辞めたのは、５００ハマって単発、６００ハマって単発、そして４００過ぎまで回したところで眠くなって電源落としたところだった。
確変間ハマり、都合１５００ゲーム。
師匠の溜めっぷりには遠く及ばないが、まあいい。
なんか自分の内側にどす黒い何かを感じるし、溜まってる気がする。
てか僕もう一生あの回転音聞きたくないよ。

というわけで溜めたストックを放出する為、上野のホールへ。
狙い台は──。

サイレントヒルだ。
理由は前任者が延々とペナルティを食らい続けたらしく、３０００近くまでハマった履歴がある台が落ちてたから。
（この台、三枚役を取ると天井が遠のくのだ）
いや３０００ハマりはなかなかない。
てか気づけよ前任者。
おかしいなぁとか思ってスマホでチェックしたりしなかったんだろうか。
おじいメンだったんだろうか。
おじいメンなら仕方がない。
とにかく、人間ストック溜め打法を実行するにこれほど適した台もないだろう。
竹屋で延々とハマり。
そして糞ハマり履歴のあるサイレントヒルを打つ。
前門の虎、後門の狼である。
もはやシステム的にストックがどうのというのは関係ない。
神の意志が──幸運の甘露が、その器に溜まっているかどうかだ。
開始は１２０過ぎから。
行くぜ！　爆裂！
いざ勝負ッ！！

はい天井。
あっさり到達。
なんもない。
なんも起きないこれ。
強めの演出が頻発する感じの前兆行ったんで「あ、天井だこれ」つって写真撮ったけども、こっからの当たりが──。

なんかＡＴだった件。
え、なんで？
これ自力でＡＴ直撃してた感じ？
おお……それはそれですげえ。
これは何か炸裂する気がするぞ。
よっしゃ！　載せろ！　うおおおおお！

なんもなし！
もういい！
天国行け天国ッ！

よっしゃきた！
注文通り天国行ったらしく１００Ｇくらいで当たって目玉揃い。
下段テンパイは目玉揃い確定なんでドヤれますね！
これから爆裂頼むよ！
俺の中のストック全部でろ──！

●総括。

結論。
負けました。
ＡＴ消化ゲーム数は１００Ｇで、上乗せは一回だけ。チェリーから１０のみ。
最後未練打ちして現金投資を重ね、気付いたら閉店３０分前に成りました。
最後は「フリーズ……フリーズ……」つって見せ場を作ることだけを念頭にレバオンしてましたけど、いやーこないね。ダメだこりゃ。

投資　１２ｋ
回収　０ｋ

あ、もち５スロです。
ウフフ。

えーと……なんだっけ今回のネタ。
ああ、人間ストック溜め打法か。
ええと、まー……溜め方が足りなかったのかな……？
師匠は実際結果を出してるわけだし、なんかあるんだろうきっと。
しかし疲れた。
サイレントヒルの天井一直線もキツかったけども、竹屋がキツかった。
逆に言うと今回のサイヒルもまた「人間ストックが溜まってる」と言えなくもないわけで、そう考えると次回に期待……なのか？

はい総括。

・人間ストック溜め打法は疲れる。
・東南アジアでサミタ回したらたぶん効果ある。

以上。
もう眠いよパトラッシュ……。
パトラッシュ？

シャカラッシュ！
そう。なんか疲れすぎて頭がおかしくなって、最後シャカラッシュ打った。
意味は特にないけども、そういう時ってあると思います。
というわけで今週はここまで！
次回はいよいよ大ネタ「完全禁欲打法」を検証だ。
これはおもしろカッコいいぜ……。
それではアミーゴ。シーユーネクスト万枚。
アディオス。

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