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パチスロで超能力に目覚めた話
パチスロで超能力に目覚めた話
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貯金爆弾さん
お久しぶりです。ドリクルは金欠で引退してます(涙) - 投稿日:2024/04/07 20:27
1992年ごろの話だ。
当時、私は3号機の「ドリームセブンJr.」に夢中になっていた。
デビュー当初こそ地味なノーマル機だったが、やがて「1000枚抜き攻略」が発覚。その対策ついでに(?)中身が凶暴化するという、ドス黒い闇を感じずにはいられないムーブで脚光を浴びた機種である。
後に「状態バージョン」と名付けられ、歴史に名を刻むことになる本機だが、その時折見せるブッ壊れたような連チャンに、私はどっぷりハマっていた。
そんな本機は連チャンだけでなく、リーチ目も面白い。基本的な法則は以下の4つとなる。
①赤7&青7の一直線(いわゆるドリセブ目)
②左・中リールで7がテンパイし、右リールがズルスベリ
③左リール上段にズルスベリで青7停止(1確)
④その他、特定の小役揃い型
これだけ覚えておけば、もう極めたも同然。当時の私は、ズルスベリの左上段青7でボナ察知→青テンから右に赤7を狙い、REGが揃わなければ(青青赤でREG)ドヤ顔でドル箱にコインを移すのが好きだった。
しかし、これを書いている今なら分かる。
当時の私は、まだケツに卵の殻を付けた、ひよっ子も同然だったのである。
コトが起こったのは、本機が裏返ってから数ヶ月後のこと。
その日も私は、いつも通り頭をカラッポにしてオヤジ打ち(フリー打ち)に勤しんでいた・・・のだが。
ある時、左リールを止めた直後に、ふと手が止まる。ちょっとした違和感。頭の中に、静電気がビビッと走ったような感覚。
リールを見ると、中段に赤7が止まっている。何てことない、狙えば毎回止まるようなクソ目である。
何のこっちゃ?と思いつつ、残りのリールを止める。すると、中段に綺麗なドリセブ目が並んだのだ。
ほほぅ、まるでボーナスの到来を予知したみたいだな…。まあ、偶然だろう。特に深く考えずボーナスを消化し、そのまま打ち進める。
すると数時間後、またもビビッと感じて手が止まる。左リールは「ベル・オレンジ・ベル」。ここからオレンジが揃えばリーチ目だが、まさか・・・?
少しだけ期待して残りリールを止めると、何てことはない。クソみたいなバラケ目が出ただけだった。
まあ、そりゃそうだよな・・・と思った次ゲーム。左リール上段に、ズルスベリを伴って青7が降臨したのである。問答無用の1確目だが、それより何より、またも「ビビッと感じた直後にボーナス」だ。
1度ならず2度までも。うーむ、これは一体・・・?
その日以降も、謎の「ビビッとボーナス現象」は時折発生した。しかもその発生頻度は、打てば打つほど高まっている。まれにガセることもあったが、もはや偶然では片付けられない的中率だ。
一体、何が起こっているのか。
この現象を冷静に、かつ多角的に考えた結果、私の脳細胞は1つの結論を導き出した。
超能力。
そう、私はドリセブJr.が好きすぎるあまり、「内部的に成立したボーナスフラグを、察知できる超能力」が発現してしまったのだ。
ちなみにこの能力、ボーナスを「察知」しているのではなく、むしろ「成立」させているのでは?という希望もあったが、その可能性は極めて低いと判断。なぜならその頃の私はボロクソに負けており、件の「ビビッとボーナス」を加味しても、ボーナス出現率は設定1のそれを大幅に下回っていたのである。そもそも超能力でボーナスを成立させるなんて、そんな漫画みたいにウマイ話があるわけがない。私はロマンチストではなく、リアリストなのだ。
いずれにしろ。状況的に、人智を超える能力を手にしてしまったことだけは明白だった。しかしこのような結論を導き出しても、私の心の奥底は冷めていた。よりによってパチスロかよ、と。しかもボーナスの察知って。一生に一度あるかないかという超能力の目覚めを、こんなショボい能力で萌芽させるとは、我ながらアホすぎる。もっと便利な能力だったらなぁ。紙切れを一万円札に変えるとか、道行く女性の服を透視するとか…。
地味で役に立たない超能力。それを手に入れた者が出来ることは、1つしかない。そう、同胞への自慢である。
「なぁ、聞いて驚くなよ。俺さ、パチスロを打ちすぎて、ついに台と会話できるようになったらしい…」
私は悪友であるタケヒコに、それとなく話を振ってみた。もちろん「超能力」というワードは避け、あくまでも冗談として。
「は? お前、いよいよ頭おかしくなったか?」
当たり前の反応だった。まあ、そりゃそうだ。こんな役に立たない能力なんて、ムキになって証明する意味もない。このことは己の胸にしまっておこう。
しかしそれでも、私は一抹の淋しさを禁じ得なかった。いつも馬鹿話に花を咲かせるタケヒコ。そんな彼とは、まったく「別の世界」に行ってしまったような感覚。世界的に有名なエスパーたちも、案外淋しいのかも知れない。
それから数ヶ月後。
もはや地味な超能力なんてどうでも良くなっていた頃に、事態は大きく動き出す。
コンビニで立ち読みしたパチスロ雑誌。ドリセブJrのページを眺めていると、片隅にこんな情報が。
左リール下段に赤7がビタ止まりすると、1リール確定。
・・・マジか。
この機種、ズルスベリにばかり注目していたが、まさかビタにも意味があったとは。
さっそくホールへ行き、左下段に赤7を狙ってみる。すると2〜3回の試行であっさり止まり、しかもノーボーナス。なんだ、ガセ情報か? でも、少しスベってたような…。どうも分かりにくい。
この機種はリールが細く、加えて私の目押しの甘さもあり、検証は難航した。それでも諦めずに狙い続けていると・・・
パチンッ!
まさにキングオブビタ。貼り付くような感覚を伴い、下段に赤7が超ビタで停止した。そして、それと同時に
ビビッ!
頭の中に走る、例の感覚。
あー、これは来てますわ。残りリールを止めると、当然のようにドリセブ目。なるほど、確かに左下段に赤7が「超ビタで」止まれば、1確になるようだ。というか・・・
超ビタで1確になる場所、他にも沢山ある気がする。
この時、既に私の中で確信めいたものが芽生えていたが、それを確定させるためにも検証することにした。
すると思った通り。左リールの赤7は下段だけでなく、「中段」や「枠下」でも、超ビタで止まれば1確だったのだ。ついでに、赤7からは離れている「ベル・オレンジ・ベル」も、超ビタ停止なら1確。なるほど。
謎は、全て解けた。
頭の中に走るビビッとした感覚。それは超能力でも何でもなく、「超ビタ停止による違和感」が引き起こしていたのである。オカルトな話ではなく、論理的な要因があったのだ。
そしてその後も検証を続けると、本機の左リールにおける停止位置別の特性は、3つに区別できることが判明した。
①ズルスベリで止まると1確、または小役orボーナスになる場所
②超ビタで止まると1確、または小役orボーナスになる場所
③そのどちらでもない場所
驚くことに21コマ中、大半が①か②に属しており、意味のない③に該当するのは1か所だけであった。
単純明快だと思っていた本機のリール制御に、まさかこんな秘密が眠っていたとは。それもたった1本、左リールだけでこの奥深さである。
空恐ろしい気持ちになりつつ、今度は中リールにも目を向けてみる。すると、2確となるスベリがいくつか判明した。おいおい、どんだけ出てくるんだよ…。
とっくに極めたと思っていた本機のリール制御。しかしそれは、まさに氷山の一角だったのである。
パチスロのリールは3本。21コマの場合、出目の総数は9261通りとなる。そこにビタ〜4コマスベリの概念を加えると、パターンは100万を軽く超える。さらに「変則打ち」まで加えたら・・・? いくつになるか見当もつかないが、もはや「無限」と表現しても差し支えないだろう。
無限。
その言葉は、私に宇宙を想起させた。パチスロのゲーム性、それは無限の可能性を秘めた、宇宙空間だったのだよッ!
「は? やっぱりお前、頭おかしくなったか?」
ひとしきり解説しても、タケヒコの反応はイマイチだった。まあ、その気持ちも分かる。たがタケヒコよ、どうやら俺は本当に「別の世界」に行っちまったようだぜ…。
そう、この一連の出来事により、私は「パチスロ馬鹿」から「超パチスロ馬鹿」へクラスチェンジを果たしたのである。
その数年後、タケヒコはパチスロから足を洗ってしまった。
私はと言うと、今日もレバーを叩き続けている。パチスロに、壮大な宇宙を感じながら。
おしまい。
【追記】
お久しぶりでございます。ちょっと体調を崩して自宅療養していたら、あまりにも暇なので久々にコラムを書いてみました。文章の長さで、暇の度合いを察して下さいませ。ちなみに後日談も書いてたけど、あまりにも長くなったので消しました。
ではでは。
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貯金爆弾さんの
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このコラムへのコメント(6 件)
お久しぶりです。アラ2も好きでしたが、宇宙を感じたのはドリセブJrでしたね~
お久しぶりです。微熱で頭がボ〜っとしてる中で書いたので、全体的にテンション低い文章になって反省してます。
それでもパチスロは宇宙です!(キリッ
お久しぶりです。生きてますよ〜。金欠で死に体ですけど(血涙)
無事でなりより
自分の3号機はドリセブよりはアラジン2のアラチャン入らないビッグ変換バージョンにどっぷりな頃ですね
あのズル滑りからのバケ確定してからのレバーオンに力が入る台でした
貯金爆弾さん!
…後日談を追加してもいいのよ?