ホールで起きた金の斧、銀の斧

昨夜あった出来事。

一日中色んなジャグを徘徊し、BIGを引いては即ヤメを繰り返す
お洒落なジャケットとハットが目印のちょっと変わったマイホ常連のお爺さん。
もはやカマを掘られるのが趣味なのか。
「どんくらい出た？」とにこやかに近づいて来る様は軽めのホラーである。

そして恐らくジャグコーナーの最高齢のお爺さんなのでメダルぶちまけや忘れ物など細々とやらかす。
しかしそこはマイホの力。他の常連さんからの手厚いサポートで何とかなっている。

そんなお爺さんと私のお話。


上っぽい挙動を見せるジャグガに粘着していた私の２台隣で打つお爺さん。
BIGを引いては、いつもの様に0Gで捨てて行った。
私の台は何だかうまく噛み合わなかったので思い切ってお爺さんが捨てたジャグに着席し見事カマ掘り成功！

・・・しかし何だこの違和感は？体中で感じるざわざわ感の原因を探す。
すると本来ならば残高0を示していなければいけない所に2000の表示。

お・・・お爺さん(；ﾟДﾟ)！
あなた先日もメダル20枚近く落としたままJC行こうとしたし金捨てるのが趣味なんですか！？

幸いお爺さんが離席してからはまだ2分程しか経過していないので探すと
既にマイジャグで新たに0G台を作ろうとしていた。
お爺さん・・・あなたは何がしたいんだ・・・

そんなお爺さんの肩を叩き、
さっき緑のジャグラーの端っこで打ってたよね？お金忘れてるよ？と渡すもイマイチ聞き取れていないご様子。
そりゃそうだ、だって推定最高齢さんだもん。

一段と声を張り上げて「オカネ！ワスレテルヨ！」とICカードを押し付けたらやっと理解してもらえた。
ICカードを受け取り笑顔になったお爺さんを見て良い事したなぁと自己満に浸りながら台に戻る私。

すると数分後、顔に何やら冷たい物が当たった。
なんとお爺さんがコーヒーを買って持って来てくれたのだ。

何もそんな事しなくて良いのにと言いながらも有難く頂戴する。
得したなぁなんて思っていたらお爺さんが何やらもぞもぞ。
何やってんだと見てみたら、さっき返したICカードを私の台にINしているではないか！

「あんたは正直者だ！やるよ！」

えー！？これ何て童話？いやいやダメだよお爺さん！受け取れないから！
お爺さんを引き留めて無理やり返すも断られる。そうだ、ご老人ってこういうものだ。
一度人に渡した物は意地でも受け取ってくれないんだ。

しかしそれでもここは遊技場。遊技場でお金なんか貰って良い訳が無い。
何とか上手く受け取ってもらえる方法は無いものか？
・・・あ！えいほんさんの漫画にあった配達員さんへのお礼を受け取ってもらう回のやつを使おう！

「これで他の台で出してください！」
そう言ってICカードを突き返したらやっと受け取ってくれた・・・えいほんさん有難う御座いました(笑)

はぁ。これでやっと集中して楽しめる。
お爺さんから貰ったコーヒーを飲みながら回していたらあっと言う間に130G。
残念ながらジャグ連はしなかったものの、先に打っていた台と合わせて500枚くらいメダルがある。
流そうかなぁとうろついていたら良さげなゴージャグ発見！最終的に1800枚流しました。
流しながら良い事したから勝てたのかな、なんて思っていたら小走りで寄って来るお爺さん。

ザァァァァァァァ！

なんとJCにメダルを入れてきた！これには店員さんも私もフリーズ。

「お金じゃなくてメダルなら良いんだろ？さっきのカードの残りで当たったからやる！」
満面の笑みでそう言い放つお爺さんを見てたら、もう私も笑うしかないじゃないか。
最後はお互いにお礼を言い合って別れた。
その後、店員さんに説明すんのが結構めんどくさかった(笑)

ちなみに80枚位増えてたよ・・・お爺さん、有難う。


正直に行動した結果、コーヒーもメダルも貰い
自分自身も勝てたと言う、現代版金の斧、銀の斧でした。

これがノンフィクションなんだから人生ってすごい。

30