ぽぽぽぽぽーん

僕は今『コクッチープレミアム 微灯』という導入したばかりの新台を打っている。コクッチーシリーズの最新作であり、正統後継機でもある。

プレミアムというだけあって、これまでのコクッチーシリーズより、色々なプレミアムパターン告知機能が追加されているようだ。

どうもその中の一つに、筐体右側に描かれている、こくっち～の履いているパンツ(おむつ？)が、透けるという告知パターンがあるらしい。
出現確立は分からないが、僕はどうしてもこれが見たくて『コクッチープレミアム 微灯』が出ると知ってから、楽しみで打ちたくて仕方がなかった。

とりあえず、パンツが透けたこくっち～の姿を写真に納めて、SNSにアップするまでは『コクッチープレミアム 微灯』を打ち続けようと、固く心に誓っていた。今日も全ツッパ覚悟で打つつもりでいる。

しかし、今のところ正直かなり苦戦していた。
約1000Gほど回してBIG３回、REG１回、ボーナス合算約1/250、設定１のボーナス合算を余裕でブッチぎり、通常時のぶどう確立は設定２～３の間をうろうろ、BIGボーナス中のダック確立も決して良いとは言えない。そして今現在約450Gほどハマっているような状況である。



(まだ1000Gくらいしか回してないけど、おそらく上３つは厳しいか…。隣の若者が打っているGOGOジャグラーはかなりいい挙動してるしなぁ…。)



早くも心が折れ始め、ゲーム数も前回のボーナスから500G目に差し掛かろうとしていた時にそれは起きた。

最早チェリー・ダックをフォローしてるようなしてないような、順押しほぼ適当打ちで第１、第２停止ボタンを押し第３停止…？あ、あれ…？第３停止ボタンを押してもリールは回ったまま。



(あっ、これってもしかして…)



至福の第３停止フリーズ。
僕のパチスロ脳がそう認識した瞬間だった。



「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽーーーんぽーーんﾎﾟｰｰﾝﾎﾟｰﾝﾎﾟｰ…」

(( ！！！！！！！？ ))



筐体のスピーカーから、突然エコー気味に発せられた大音量のぽぽぽぽぽーん。周りで打っていた客が一斉にこちらを振り向く。
隣でGOジャグを打ってる若者なんて、地球に落ちてくる超巨大隕石を見つめるような鋭い眼差しで、僕を睨み付けていた。



(お、おいっ若者…！こっちを見てるんじゃないよ！今のは僕が叫んだのではないぞっ！叫んだのはコクッチーなんだよ！こんな告知音があるなんて僕も知らなかったんだ！！は、恥ずかしい！なんて恥ずかしいんだっ！！)

(しかもこれってあれだよな？パチスロいち有名な花火職人の相棒の演出オマージュだろ？あの透けパンに続きこの演出もパ○ってたのかっ！？)

(それにぽぽぽぽぽーんの声、そこそこ野太い普通のオッサンの声だったような気がしたけど、まさかあれがこくっち～の声なのか？ヤバイッ！今になって笑けてきたぞｗウケるｗｗというかジワるｗｗｗ)

(まぁそれでもこの演出、一応フリーズも絡んでるし、プレミアム告知パターンの内の一つかも…。BIGボーナス確定なのかもしれん！)



平常心を装うため、いったん深呼吸をし、とりあえずボーナス図柄を狙ってみることに。



(´･ω･`７ ｽｯ…



(´･ω･`７ (´･ω･`７ ﾃﾛﾘｰﾝ…♪



............... .............. (´･ω･`７
(´･ω･`７ (´･ω･`７【B A R】 ﾋﾟﾀｯ…‼



(ええぇっ！嘘だろっ！バケなの！？あんな辱しめを受けてさらにバケなの！？マジかよっｗ！！)



恐る恐る、隣のGOジャグを打っている若者をチラ見してみる。どうやら必死に笑いを堪えているようだ。目の前にエサがあるのに、主人に待てと言われて、食べるのを必死に耐えるチワワのように、小刻みに震えてやがる。
そして、そんな辱しめを受けている僕にお構い無しに、『コクッチープレミアム 微灯』は当然の如く軽快なREGの曲を奏でている♪♪



(何でだよ畜生…。)



今、目の前で起きている現実を、どうしても受け入れることが出来ない僕は、急いで公式サイトを調べてみることに。



(おぉっ！？あった！書いてあったぞ！！)



公式にはこう書かれていた。



【ぽぽぽぽぽーん告知】
・第３停止フリーズとともに発生
・ボーナス確定演出の一つ
・BIG or REGボーナス 1：1
・発生確立1/2979
・中プレミアム…だぽん☆



(中プレミアム…？だぽん星…？？へ、へぇ…。ま、まぁとりあえずこくっち～の透けパンを拝むには、この演出を克服するしかねぇのか…。そうなの…か…。)



この後の僕は、このぽぽぽぽぽーん告知のおかげで、今まで以上に毎ゲームびくつきながらレバーを叩くしかなくなった。





※ この物語はフィクションです。

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