『せっかくフリーズ引いたのに』第7話

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7話
◆L

　解答エリアを振り向くと、かなり狼狽した顔の30代女性が。

「だって、通常時から下パネ消えてんのよ？　設定L以外ありえないでしょっ？」

　天井からするすると縄が降りてくる。

「ちょ！　待って！！　私まだ1回しか答えてないっっ！　ありえないっ！！」

　そう叫ぶ女性を尻目に首元へ縄がかかる。

「え、なんで私動けないの？　やだっ、死にたくないっっ！！」

　ピーンポーンパーンポーン♪
「エラーです。店員さんをお呼びください。エラーです。店員さんをお呼びください」と電子音声が鳴り、しばらくして、

「ヤッホー！　夢夢だよ♪　解答エリアでは自分の答えが他人から見られないようになっているって言ったよね？　ってことは、当然自分から公開するのもNGよ。レギュレーション違反のため処刑でーす」という声が聞こえ、あっけなく吊るされる女性。

　みんな啞然としていた……。
　明示されてなくとも犯してはならないルールがある。

「あの子が打ってたのは沖ハナ-30だね」
　ただひとり黙々と回しながら隣の長髪ジャケットくんが話しかけてくる。

「沖ハナ-30は0っていういわゆるL相当の設定が搭載されているんだけど、それで下パネルが消灯したりはしない。勘違いしてるひとが多いけどね。下パネル消灯はエコモードってことらしいよ。まんまとしてやられたね」

「詳しいですね……。元の世界ではパチスロ開発者だったりですか？」

「いや、ただの好き者に過ぎないよ。でも、趣味にするくらいだからみんなそれくらいは調べるでしょ？」

　いや、そんなのおまえくらいだろ……という言葉は飲み込み、オレもまたカバネリを回し出した。

　生き残り枠数5/75。
　横目で電光掲示板を確認したら知らぬ間にけっこうな人数ヤラれていることがわかった。

　マグレ当たりみたいなことは思ったより起きていない。
　その時はそう思っていた。

(続く)

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