◯◯とパチスロの奇妙な因果関係 『さ』

今回のお題ははらいそさんからいただいた「サイババ」。



そこのけそこのけアフロが通る。インドが産んだ奇跡の男。サティヤ・サイ・ババ此処に見参。





嘗て、インドに奇跡を起こす男がいた。彼はその手から聖灰、指輪、時計を出現させ、時には不治の病に侵された者を癒した。その高名は海外にも伝わり、各国に数百万人以上の信奉者を持つに至った。




男の名は「サティヤ・サイ・ババ」。
自らをシヴァとシャクティの化身であると宣言し、インドは疎か世界中にその名を広めた。彼の講話と体験談を綴った書籍は数百冊出版され、様々な国で翻訳された。また、長年きれいな飲料水が得られず苦しんでいたチェンナイ市民の為、クリシュナ川から飲用可能な水を引いてくるガンガー・プロジェクトを始め、多くのチェンナイ市民がその恩恵を受けることとなり、彼はさらに人々から称賛されるようになった。




仁徳と慈愛の心に満ちたサイババとパチスロは如何にして交錯するのだろうか。




ここまで読み、パチスロとの因果関係云々以前にそもそも今の今までサイババを存じ上げなかったという方は、一度サイババの画像を検索する事をお勧めしたい。広大なネットの海をヒョイとひと泳ぎすれば、巨大なアフロの下で安らかな笑みを浮かべる御大の姿を拝む事ができる。




検索にヒットしたその画像を、貴方の曇りなき眼に映ったサイババを、穴が空くほどよく観察してみてほしい。何か、我々にとって馴染み深い物が思い出されないだろうか。そう…「レバー」だ。




我々の乾坤一擲の思いを一身に受け止めフラグを拾い続ける摩訶不思議な棒。軍神マルスが天上より垂れた勝利への見えざる手。サイババはその頭髪と全身を用いて、我々とパチスロを繋ぐ架け橋たるレバーを表現していたのだ。想像してみてほしい。四角い筐体の左から、サイババがにゅっと伸びている姿を。まるで違和感がない。




サイババはその手で奇跡を起こす。我々はサイババもといレバーを介し奇跡を起こす。共に奇跡の体現者として、スロッターとサイババは非常に近しい存在であると言える。





また、彼は言った。「つねに助け、決して傷つけてはならない」と。これはヒンドゥー教、仏教に於けるアヒンサー(非暴力)の教えだ。どんなに腹が立とうとも、決して台パンをしてはいけない。レバーは叩きどころでのみ強く叩け。この上なく尊い教えである。事はレバーだけに留まらない。ボタンも、下パネルも、液晶も、パチスロ台に殴っても良い場所など一つもない。殴った拳は痛くまねど、それを見た私の心は痛むのだ。





人々の幸福と愛、そしてスロッターの勝利を願ったサティヤ・サイ・ババ。彼の崇高な教えは、今日も良いところが何一つ無く4万負けた俺の胸に、確と息衝いている。



















性懲りも無くお題募集中です。お題を下さった貴方に、この春素敵な出会いがあるよう祈っております。次回は「し」から始まる言葉で。

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