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オレンジ色のアイツ。
オレンジ色のアイツ。
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玉のゼロさん
すっかり使われなくなっちまった。 そんな哀愁を込めてこの名前を着けました。 - 投稿日:2017/04/03 21:42
皆様は、オレンジ色の四号機と言われると何を連想しますか?吉宗や、宝船とかありましたね。私はアイツを思い出します。
あれは、ちょっと古めな機種を探しに県を跨いで打ちに行き、残してくれてそうな雰囲気のお店に立ち寄った時でした。古びたパチンコスロット併設店。薄暗いスロットコーナーの奥に
「沖縄スロットル」
なんとも穏やかな手書きの貼り紙が、覗いてみると、見たことのないヘンテコな台が設置の全てを占めており。お客さんはアイパーにスーツのオジサンと頭からインスタントラーメンを被ったようなソバージュのオバサンの二人しかいません。周りが見えないほどに一心不乱にレバーを叩く香ばしい方のオーラ力は増幅中、さながらアイパーゾーン突入といったところ。
「おう!!」
チャムとは似ても似つかぬ太い声と共にアイパーのオジサンがのけ反ります。それと同時にラーメンオバサンが駆け寄ってアイパーさんの肩をポンポン、どうやらボーナスを引いた模様。ふとデータランプ見ると、まるで『北斗の拳』のように「過去最大BB回数」が点滅しています。「62」と表示された後「01」と。
BBを一日で3桁吐き出すそんなアイツの名前は「DaiDai」。橙なのに、仕様は真っ黒。
誰が見ても裏物。
そんな憎いあん畜生との初対面。
恐怖心より好奇心が勝り、そのまま着席。千円、二千円、三千円、コイン持ちのエグさがヤバイ。アラジンレベルじゃない、ミリゴレベルだこれ。
何事もなく一万円目を投入し終えたものの、頭上の回転数は200に達していません。背筋が寒くなるのを覚えるも視界の左端に見えるアイパーのオジサンは爆連中、デカコインというのもあってみるみる内にドル箱が増えていきます。ラーメンオバサンは打つのをやめ、アイパーさんに箱を持っていったりコインを積めたりアシスト中。
私はあっという間に投資三万。当日の軍資金は宿泊費込みでの六万円、これ以上はヤバイなと思いつつも四万円目を両替しに行き台に戻ると、なんとラーメンオバサンが私の台のデータランプをポチポチ中。
そんなオバサンと目が合うや否や手招き。
「どうか・・されました・・?」
「アンタこれもうすぐ来るからヤメちゃだめだよ!!」
開口一番吐き出すオカルト、ラーメンオバサンからラーメンババアへと脳内で格下げを行います。
「はは・・頑張ります・・」
再び投資開始。ほどなくしてデカい小豆のお手玉を顔面に投げつけられたかのような告知と共にランプ点灯、希望と絶望が入り交じりつつ揃えてBB!
そこからは・・何連したっけな・・クレ内でお手玉をぶつけられまくった。何故かラーメンババアも大喜びで頼んでないのに空箱を持ってきてくれます、ただの親切な人なんかなと思いつつもシマの左端からアイパーさんの視線を感じます。
サングラスしている為、表情はわかりませんが、睨まれている気がします。
よそ者が出しやがってでしょうか、それとも俺の女になんて事させやがるでしょうか、
お手玉乱射は止まらず5箱目突入、そろそろ終わってもいいよ・・俺恐くて堪らない・・出玉取られるのかな、その上で殴られるのかな、県外でケガとかしたら帰りの運転ヤバイ・・そんな考えが頭の中をぐーるぐる。
それでも飛んで来るお手玉。
揃えると、初のRB。何故かデータランプには上がりません。過去の履歴を見てもRBが存在しない。どうやらRBをカウントしてない模様、猛獣王の天井ハイエナでこのタイプと知らずにやられた嫌な記憶が甦ります。
もしかしたらこれが終了の合図かな、って気を抜いていると後ろにアイパーさんが仁王立ち。こちらに敵意は無い事を伝える為に、心の中で『アストロン』と唱えて石になります、ラーメンババアとアイパーさんが会話をしていますが石となった私には届きません。
アイパーさんはラーメンババアとの会話が終わるとどこか行ってしまい、シマ内には見当たりません。チャンスとばかりに急いで消化すると連チャンが始まってから初となるクレジット連チャンなし、何ゲームまで回せばといいかなとランプを見ても、直前のRBをカウントしていない為ゲーム数はデタラメ。
これはチャンスだ、もうヤメよう、もとい逃げよう。と、下皿のコインを箱に移していた時。
「ガシッ!!」
肩を掴まれました、
そしてその手の先にはアイパーさんが・・
正直掴まれた瞬間ビビって屁が出ました。
そして・・
「ベイビーの後はヤメればダメだ!!」
へ?
「おめえ、さっきベイビーきたったべ!!ベイビー来たらまたすぐ来る!!」
そう言いながら、アイパーさんがRBを指差します。
あっ、ベイビーってRBの事か、
「ヤメるんだば、俺打つから台くれ!!時間無いだが!?」
「あっ、ありがとうございます。もうちょっとやってみます」
その後ちょっと回して告知発生。アイパーさんが後ろで「うんうん」って頷いています。
「100回せ、それでダメだば終わりだ」
「ご親切にありがとうございます、」
安心しました、見た目恐いけど凄くいい人でした。なんだか泣きそうになりました。色んな感情が入り交じりましたが、何はともあれこれでじっくり楽しめる。
ラーメンババアの応援を受けながら回したもののその後一回BB出て来て100回転越え。下皿のコインを移し
「教えていただき、ありがとうございました。これ、お礼です。」
ホントに心からのお礼です、アイパーさんは「おう、わりいな」と半箱くらいのコインを受け取ってくれました。ヘタれですよね?でもそれは私なりの礼儀です。18歳の小僧からの感謝の気持ちです。
交換率は下血するかと思うほど悪く、想像していた程の勝ち金額ではありませんでしたが・・
帰りに寄った、前述のお店の『海人』。RB図柄には『BABY』と書いてありましたとさ。
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玉のゼロさんの
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このコラムへのコメント(12 件)
私も、遅ればせながら
地元にダイナマイトキッズの裏がありまして、
『当たる台は光って見える』
という、予言者のようなおばちゃんに騙された嫌な思い出もあるのですが
この事は、怖かったかけどいい思い出です。
汚い業界の時代だったかもしれません。
でも、表向きキレイな今より人情が全てにおいて強かったと思います、
私もオレンジの筐体といったら「ダイダイ」と思ったのでビンゴでした。ええ、担当機種だったので取材に行きましたよ。その時はノーマルでしたけど(笑)。
このアイパーさん、生粋の沖スロ打ちですね。沖縄でREGのことをベイビーと言っていたのは知っていましたが、まさか本当に使っている人がいたとは(笑)。
私がパチスロを始めたのは3号機という裏モノばかりの時期でして。その時の光景が思い返されます。
ケツの毛まで抜かれそうな恐怖かありますよね。義理人情に厚いタイプの人が多いので、親近感を持たれると、かなり良くしてくれますけど。
おそらく、玉のゼロさんの佇まいが良かったんだと思います(^^)
独特の雰囲気でしたね、このホールはこの一回きりしか訪れてませんが。なんか、ホールの主がいるイメージがありました。
今はホールの主って見ませんね。
沖縄が発祥であると言われていますね。
まぁあの島には大概変人←褒め言葉
が居るんすよ。
あの独特な雰囲気を味わえない今の世代にはほんと申し訳ないけど、ありましたよね、特有の礼節的な何かが。
いや〜〜懐かしいっす。
きっと、私はスカンクのモザイクオーガン手術を受けていたのです(違
アイパーさんはちょっとひょろっとしてて、松重豊さんみたいな雰囲気の方でした。
そいや、最近目押しのお礼にコーヒーって風習なくなりましたね。
目押しできないけど、リーチ目にやたら詳しいお爺ちゃんと並んで打った時の事を思い出しました。
どんどん昭和のお店減ってますからね・・
確かにイカツイおっちゃんに肩掴まれたら反射的に身を守りますよね(笑)
これがほんとの屁すっとバフっとですね!(上手いコメント言ったつもり)
何か見えない秩序が保たれてた気がします…笑
18歳でコインのお礼…正にプロフェッショナルですね!笑